かしこいお手伝いの娘

かしこいおてつだいのむすめ

リトアニアの昔話

グリム童話では94「賢い百姓娘」が類話です。
グリムは真面目な雰囲気ですが、このリトアニアの話は、くすっと笑える要素がたっぷりあります。それにグリムのほうは長いですから、高学年にしか語れません。この話は3年生くらいから聞いてくれるでしょう。

なぞなぞを楽しみながら、感心したり、ほろっとしたりしてください。


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三つの金のりんご

みっつのきんのりんご

スイスの昔話

ATU314「黄金の若者」

主人公は九人兄弟の一番上です。一番上も末っ子と同じく端っこの存在です。昔話では、端っこの存在が主人公になります。孤立性の表れですね。

見てはいけない部屋や、呪的逃走など、人気のあるモティーフがおりこまれていて、ワクワクする物語になっています。

バイヤルトという馬が主人公の援助者です。
三本のたてがみと呪文によって主人公を助けます。

長いので高学年向きですが、四年生でも楽しめると思います。


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魚のなる木

さかなのなるき

パラオの昔話

貧しい女の人が、巨大なタコの木の根元にたまごがあるのを見つけます。
たまごから親指よりも小さな男の子が生まれます。
その子はあっという間に大きくかしこく育ちます。
まるで、一寸法師のようです。

このような「小さ子の誕生」のモティーフを持った話は、世界じゅうにあります。⇒こちら

男の子が海にもぐって島に穴を開けたり、大漁をもたらしたりするのは、いかにも南の島の話だなあと思います。
すきとおった青い海と空の光景が見えるようです。


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りこうな末っ子

りこうなすえっこ

スイスの昔話

ATU921「農夫の息子と王」に分類される昔話です。ヨーロッパを中心に広く語られているようです。

息子の知恵のある答えは、さまざまなヴァリエーションがあります。地域の風土によって変わるのだと思います。
なぞなぞや謎解きは、古今東西、老若男女、好きですよね。

王さまの権威に対して、子どもが知恵を使って親を助ける。王さまがそれを喜んで受け入れているのが気持ちいいです。


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神さまのお返し

かみさまのおかえし

オーストリアの昔話

ふたつの話が組み合わさっています。
前半は日本の「仙人の教え」やグリム童話の「三本の金髪を持った悪魔」の後半と同じ。
後半は日本の「話十両」と同じ。

どこにでもいる普通の人間が幸せになる話は、ほっとします。

高学年向きのおはなしですね。


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木こりの宝

きこりのたから

パンジャブ地方の昔話

ATU910F 話型名「仲たがいしている息子たちと小枝の束」

イソップ寓話にも「三本の棒」として伝えられています。父親が三人の息子に棒を一本ずつ渡して折らせると簡単に折れます。でも、三本重ねると折れません。
三人がいっしょになると、ひとりひとりでいるよりずっと強くなるという教訓です。力を合わせよということですね。

日本では、毛利元就の「三本の矢」が有名です。


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人に悪いことをしなければ、自分にもされない

ひとにわるいことをしなければ、じぶんもされない

イスラエルの昔話

ふつう、同じことわざを日に二回も聞いたからといって、それを確かめるために命を懸けるでしょうか。
設定はとんでもないのですが、「人に悪いことをしなければ、自分もされることはない」と信じることができれば、生きやすくなるような気がします。
この主人公は、勇気ある人だといえるでしょう。

ちょっと変わった話なので、紹介しました。


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美しいテレジーナ

うつくしいてれじーな

イタリアの昔話

恋人たちのかわいらしいお話です。

ATU879「バジル娘」
娘がバジルに水をやっているところを、王子さまが見つけるところから、「バジル娘」という話型名になっています。

からかいの言葉のやりとりは、たいてい詩の形になっているそうです。
17世紀の『ペンタメローネ』にあります。

「わたしは指を切る」からの4行は、結末句。とっても印象深いです。

ところで、奈良の民話の「お藤井戸」も同じ話型です。
柳生十兵衛と村の娘お藤のやり取りがあります。こちらは、お藤の知恵があることに感心した十兵衛が、妻にするという話です。


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天から落ちてきた男

てんからおちてきたおとこ

オランダの昔話

ATU1540「パラダイスから来た学生」

息子を亡くした母親の心をうまく利用して、悪い男ですね。
古くは15世紀の終わりに記録があるそうです。
しかも、現在も、世界じゅうに伝承が残っている由。
笑い話ですから、「うまくだましたな!」と笑うのか、「だまされて、ばかだな」と笑うのか、どちらかなんでしょう。
若者のしたことは詐欺なんだけど、ある意味では賢いやり方で、生きるためのささやかな贈り物をもらったといえるし、母親は、天国の息子の友達に会えて役に立てて幸せなんだから、それでいいとも言えますね。
あまり目くじらを立てることでもなさそうです。
お話なんですから(笑)


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小さなからす

フランスの昔話

病気の父親の眼を治すために、三姉妹の末っ子が、からすと結婚します。
この冒頭のモティーフは、「猿婿」や「蛇婿」など日本の異類婚姻譚とそっくりですね。異なるのは、異類(からす)がじつは魔法にかけられた王子さまで、からすと結婚した娘が幸せになるところです。

嫉妬した姉さんたちの策略で、末娘は王子さまを失います。王子を探して旅に出ますが、ここが話の中心になっています。
ATU425「いなくなった夫探し」


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