きこりのたから
パンジャブ地方の昔話
ATU910F 話型名「仲たがいしている息子たちと小枝の束」
イソップ寓話にも「三本の棒」として伝えられています。父親が三人の息子に棒を一本ずつ渡して折らせると簡単に折れます。でも、三本重ねると折れません。
三人がいっしょになると、ひとりひとりでいるよりずっと強くなるという教訓です。力を合わせよということですね。
日本では、毛利元就の「三本の矢」が有名です。
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ひとにわるいことをしなければ、じぶんもされない
ふつう、同じことわざを日に二回も聞いたからといって、それを確かめるために命を懸けるでしょうか。
設定はとんでもないのですが、「人に悪いことをしなければ、自分もされることはない」と信じることができれば、生きやすくなるような気がします。
この主人公は、勇気ある人だといえるでしょう。
ちょっと変わった話なので、紹介しました。
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うつくしいてれじーな
恋人たちのかわいらしいお話です。
ATU879「バジル娘」
娘がバジルに水をやっているところを、王子さまが見つけるところから、「バジル娘」という話型名になっています。
からかいの言葉のやりとりは、たいてい詩の形になっているそうです。
17世紀の『ペンタメローネ』にあります。
「わたしは指を切る」からの4行は、結末句。とっても印象深いです。
ところで、奈良の民話の「お藤井戸」も同じ話型です。
柳生十兵衛と村の娘お藤のやり取りがあります。こちらは、お藤の知恵があることに感心した十兵衛が、妻にするという話です。
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てんからおちてきたおとこ
オランダの昔話
ATU1540「パラダイスから来た学生」
息子を亡くした母親の心をうまく利用して、悪い男ですね。
古くは15世紀の終わりに記録があるそうです。
しかも、現在も、世界じゅうに伝承が残っている由。
笑い話ですから、「うまくだましたな!」と笑うのか、「だまされて、ばかだな」と笑うのか、どちらかなんでしょう。
若者のしたことは詐欺なんだけど、ある意味では賢いやり方で、生きるためのささやかな贈り物をもらったといえるし、母親は、天国の息子の友達に会えて役に立てて幸せなんだから、それでいいとも言えますね。
あまり目くじらを立てることでもなさそうです。
お話なんですから(笑)
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こううんのたねまき
この話には、悪人がひとりも出て来ません。それでも、運命は人々をほんろうします。
徳のある村長の行動と、それに誠実に答えようとする主人公の生きざまに、感銘を受けました。
原話の解説に、つぎのようにありました。
「運命的聖者伝。宿命についての信仰と血の復讐あるいは相応の賠償金の習慣は近東では極めて一般的のことだそうです。」
大人向けの話ですが、若い人に聞いてほしいと思いました。
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ATU1405「怠惰な紡ぎ女」+902「怠惰な女が治療される」
おかみさんもおかみさんなら、旦那さんも旦那さんですね。
でも、ふたりとも、何の邪心も持っていません。おかみさんが極端な怠け者だということをのぞけば、人情の温かい夫婦です。
そのおかみさんも、最後は心を入れ替えて働き者になって、みんなから尊敬されて、めでたしめでたしです。。
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ひゃくるーぶりでかえるもの
原題は「買われた妻」です。
人間を「買う」なんて、なんてことでしょうと思いますが、古今東西、現実にあることです。ただし、昔話なので、人身売買という社会的なモティーフを使っているだけで、テーマはそこにはありません。
ここで描かれるのは、妻の援助により成功する若者、失った妻を探す若者の物語です。勇気と希望の物語です。
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