はんぶんのにわとり
ロートリンゲン(フランス)の昔話
音声は小学2年生。
ロートリンゲンは、フランスのドイツ国境近くの地域です。フランス語ではロレーヌ地方。
にわとりが半分になっても生きているのが不思議なのですが、昔話には半分の人間の話もあるし、子どもたちは、え~っ!と驚きながらも、おもしろそうにストーリーについてきます。
にわとりのからだは、きちんと二つに分かれて血も流れない、横から見たら図形的には丸ごと一羽と変わりはない。《昔話の語法》のページ「図形的に語る」の項を見てください。平面性があらわれているところです。⇒こちら
にわとりが出かけるのは、貸したお金を返してもらうためです。「外的刺激」によって旅立つのです。
とちゅうで、鳥、オオカミ、池と道づれになり、からだの中にいれて、自分の力にします。
鳥、オオカミ、池の特性にぴったり合った難題がふっかけられ、みごとクリアします。状況の一致ですね。
用がなくなったら、鳥もオオカミも池も元に戻ります。援助者は必要なときに必要な場面でのみあらわれるのです。友達になっておつき合いを続けることはないのです。
主人公は本質的なものと出会うために旅に出なければならない、のです。
テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内