さんびきのやぎ
ノルウェーの昔話
マーシャ・ブラウンの絵本『三びきのやぎのがらがらどん』でおなじみのノルウェーの昔話です。
瀬田貞二の名訳もあって、絵本で楽しめばいいのかもしれませんが、もともとは、語り伝えられてきた昔話です。
耳で聞いて楽しみたいと思って、再話しました。
ATU122E「太ったヤギを待つ」という話型です。
ATU122というのは、「嘘の言い訳で獲物が逃げることができ、動物は獲物を失う」という話が集められていて、A~Zまでさまざまなバリエーションがあります。弱肉強食の世界で、弱いものが知恵を使って強い者から逃れる話です。
前回紹介したイタリアの「おんどりときつね」⇒こちらも見てください。
この「三匹のやぎ」は、北欧を中心に語られていたようで、世界的にはあまり残っていません。そして、いかにも北欧らしいトロルは、他の国、例えばドイツでは、オオカミになっています。
単純な話ですが、三回のくりかえしのリズム、やぎの大きさのクレッシェンド、最後に恐ろしいトロルをやっつけるという爽快さ、魅力的な話です。
テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内