ねこのしっぽ

ポルトガルの昔話

この話の主人公は猫。この猫は、心優しいように見えて、自己中心的ですね。子どもの特性を備えています。だから、人に物をやっては惜しくなってとり返しに行ったり、もっといいものを盗んだりする猫に、子どもは、心の奥でこっそり共感します。道徳的にはよくないと分かっているから、こっそりとです。

でも、猫の表情は明るく、話全体が日の光を浴びているように思えます。結末では、猫自身が努力をして才能を磨き幸せになります。

このような、子ども自身の欠点をそのまま認めてくれる話を、信頼する大人から聞くことは、とても大切だと思います。幼児から低学年向きに再話しましたが、大きい子のサブの話としても使えると思います。

話型は、いま調べ中。該当するのは3話型。

ATU1415「運のいいハンス」・・グリムの「幸せハンス」

ATU1655「有利な交換」・・日本の「わらしべ長者」

ATU2034C「貸すことと返してもらうこと:損をしていく(よくなる)交換・・連鎖譚です。

どちらにしても、どこかで聞いたことがあるような話ですね。

テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

語りを聞けます。




⇒ おかしな話一覧へ