かぜにのったヤン・フェッテグラーフ
ドイツの昔話
真っ暗な道を歩いて行くと、ふしぎなおばあさんに会います。
ものしりグレーテ。
魔女でしょうか?
いえ、キリスト教が入ってくる以前の「賢い女」なのでしょう。糸紡ぎは、女神の仕事だし、この世ができたときからここで糸を紡いでいるのだから。
このおばあさんは、四つの風の母親です。日本の昔話「風の神と子ども」を思い出します。
主人公ヤンは、南風に死ぬことのない国に連れて行ってもらいます。
異界から異界へと移動する、ものすごくスケールの大きい話ですね。それなのに、おばあさんと息子たちの会話は、とっても俗っぽいし、死ぬことのない国のお姫様も王様も、部屋の様子も、日常的です。昔話の面白さですね。
ヤンが故郷に帰るモティーフは、「浦島太郎」と同じです。馬から下りてはいけないと言われたのに、情に負けて馬を下りてしまいます。浦島太郎と同じ、タブーを破って、異界からの贈り物を使えなかった時点で、死が訪れます。
スケールの大きさ、壮大なファンタジーに惹かれて再話しました。最後が主人公の死で終わるので、子どもに語れるかしらと思いましたが、練習しているうちに、もう700年以上も生きたんだから、すごい体験をしたんだから、結局は幸せだったんじゃないかなと思えました。
死神については、興味津々ですが、未調査です(笑)