イワンのゆめ
ロシアの昔話
原題は、「正夢」
夢で見たことが本当になるという意味ですね。
ATU725
話型名は「将来の君主を予言する」
これが主軸になっていますが、イワンが森の中で三人のおじいさんから魔法のじゅうたんなどの宝を取り上げるモティーフは、ATU926D「裁判官が論争の対象物を横取りする」と合体していることがわかります。
魔法のじゅうたんといえばアラビアンナイトを思い浮かべるし、隠れ帽子は彦一を思い出すし、いだてん靴は千里車やマイル靴を思い出します。世界共通の魔法満載ですね。
イワンが最後に魔法のアイテムをすべておじいさんに返却するのが、珍しく、とっても気持ちがよいです。
うるわしのエレーナ姫の課題のきらびやかなこと。靴も鳥も金やダイヤモンドや宝石で飾り立てられています。海の老人(おそらく海神)のあごひげは金、髪の毛は銀です。おまけに金の盃。
このきんきらは、ロシアの昔話の特徴のようです。
この話型は、日本の昔話にもあります。「夢見童子(夢見小僧)」です。
初夢を話さなかったからといって、親が息子を船に乗せて流してしまいます。船は鬼ヶ島につき、息子は鬼から生き針と死に針と千里棒を手に入れます。最後は、夢が実現してハッピーエンドです。
夢の話をしないがために罰せられるという設定は、落語の「天狗裁き」も同じですね。
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