おおかみと犬

おおかみといぬ

ウクライナの昔話

ATU101「老犬が子ども(羊)の救出者になる」とATU100「オオカミが歌って捕まる」が組み合わさっています。

ATU101では、おおかみが、犬を助けた見返りにお百姓の羊を盗む手助けをしてくれといいますが、犬は断り、おおかみの友情を失って終わります。
けれども、ウクライナのこの話では、犬は、羊の代わりに宴会のごちそうをおおかみに提供して、ATU100につながります。おかげで二匹の友情は続きますが、結局、まぬけなおおかみが自滅します。犬が歌うなと止めるのに、おおかみは歌ってさんざんなぐられるのです。うまく二つの話型をつなげていますね。
この話は、イソップ寓話にもあります。

福音館書店から絵本が出ています。
『セルコ』内田莉莎子文/ワレンチン・ゴルディチューク絵
ラストがちょっと違うんですけどね。

グリム童話のKHM「老犬ズルタン」は、家畜と野獣の違いがはっきりしています。ズルタンの番犬としての立ち位置が、対人間のきびしさを感じさせます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。


⇒ 動物たちの話一覧へ