ひとりでになるグースリ
ロシアの昔話
ATU850「姫のあざ」という話型。姫のあざの特徴を述べることができる人と姫が結婚することが約束される話。
この話は、約束のモティーフがふたつ出て来ます。
ひとつめは、額につののある白髪の老人との約束。
「グースリをやる代わりに、家の中で一番大切なものをよこせ」
家に帰ると、それは父親のことでした。この約束は、主人公に不幸をもたらします。が、じつは、それを契機にして、主人公は自分の人生を自分の足で歩き始めます。
ふたつめは、話型名にもなっている王さまのおふれです。
「姫の目じるしを言い当てた者と姫を結婚させる」
主人公は、つののある老人からもらったグースリを上手く使って、つまり自らの知恵で、お姫さまを手に入れるのです。
前半に登場する、かぶどろぼうの小さな男の子が、なんだかかわいいですね。後半のお姫さまも子ぶたも、かわいい。
短いけれど、子どもの自立を凝縮して描いていて、とってもいい話です。
2年生くらいから聞けると思います。
グースリは、弦楽器で、指で引いて演奏します。時代によって、弦の数や楽器の形は様々だそうです。
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