ガラスの山

がらすのやま

フランスの昔話

フランスのロレーヌ地方の話です。ロレーヌ地方は、ドイツ語ではロートリンゲンといいます。ちょうどフランスとドイツのあいだにあって、かつてはひとつの国でした。そこで、独自の文化が残っています。

ATU400「いなくなった妻を捜す夫」
この話型の話はとても人気があるようです。グリム童話にも3話入っています。(KHM92「黄金の山の王様」、93「からす」、193「太鼓たたき」)
どうして妻(姫)がいなくなったか、探す旅の道中の出来事、妻を奪還するための戦い、と、ストーリーが進むので、長い話になります。
いろいろなおなじみのモティーフが組み合わさっていって、いかにも昔話らしい話になっていきます。

ここでは、冒頭が、羽衣のモティーフで始まります。日本の「天人女房」とそっくりです。そして、見てはいけないというタブーを冒したために、妻は白鳥になって飛び去ります。

妻を捜して旅する伯爵は、極端に年とった隠者三人に出会います。3回のくりかえしがあります。
とちゅうで、動物たちの分配をアドヴァイスするというモティーフがあります。
動物たちは、お礼に贈り物をくれますが、その贈り物が、妻を救い出すのに、ぴったりの力を持っています。状況の一致ですね。
魔法がとけるときには、場所の一致や時間の一致が奇跡を感じさせてくれます。
竜の頭が七つあるとか、竜の命のありかが図形的であるとか、まるで昔話の語法のオンパレードですね。


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