白いハンカチ

しろいハンカチ

フランスの昔話

レノア伝説(レオノーレ)といわれる話のひとつです。

レノア伝説とは、死んだ男が恋人に会いにやって来て、馬に乗せ、夜道を墓地またはあの世へいざなうというストーリー。
古代の死者信仰に基づく伝説で、もともとヨーロッパで広く語られていたそうです。また、バラードや民謡としても伝わっているとのことです。

伝説が昔話化していて、ATU365、話型名は「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」。
馬に乗って走っているとき、花婿が「怖いか」と2度尋ね、3度目に墓地につくというのが典型的な形のようです。「白いハンカチ」では尋ねるのは一回ですね。

結末は、花嫁は服をひき裂かれて逃げきる、墓に引きずりこまれる、死ぬまで踊らされる、ずたずたに引き裂かれる、など。恐いですね。伝説から生まれたことが実感できますね。

伝説の特徴については、《昔話雑学》「伝説」(こちら⇒)と、《ブログ井戸端会議》「生きている人形」(こちら⇒)で確認してください。

さて、「白いハンカチ」はフランスのブルターニュ地方東部に伝えられている話です。出典の解説では、ブルターニュ地方は伝説と昔話の宝庫だということです。歴史が古く、かつては巨石文化を持つ人々が暮らしていて、紀元前6世紀にはガリア人、前1世紀にはローマ人、5世紀にはケルト人が移り住みました。だから、文化が重層的なのですね。しかも海に囲まれているので、船乗りの運んでくる話もあったのです。

「恐い話して!」とせがまれたときにどうぞ。

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語りを聞けます。




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