うみのみずはなぜからい
ノルウェーの昔話
ATU565「魔法のひき臼」
クリスマス・イヴのこと、貧しい弟が、金持ちの兄さんに食べ物を乞います。
いじわるな兄さんは、ベーコンをくれますが、「まっすぐ地獄へ行っちまえ」といいます。なんだかみじめで最低の状況です。
ところが、そのおかげで弟は地獄でまほうの引き臼を手に入れて、大金持ちになるのです。
この類話は世界中にあって、日本でも古くから語られています。
もともとは、北欧が発祥ではないかといわれています。
グリム童話では、KHM103「おいしいおかゆ」が類話です。
ずいぶん雰囲気が異なりますね。「おいしいおかゆ」では、地獄ではなく森の中。悪魔ではなく、おばあさん。やっぱり彼岸者ですが、援助者です。いじわる兄さんではなくお母さんです。お母さんにできないことを、小さな女の子がやってのけて、みんなをおかゆから救う。幼い子が満足できる話です。
「海の水はなぜからい」は、もう少し複雑な構造になっています。小学2年生くらいから楽しめるのではないでしょうか。クリスマス会や新年会にどうぞ。
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