katarinomori のすべての投稿

プチジャンとかえる

フランスの昔話

ATU402「動物花嫁」

このかえる、とってもチャーミングですね。

類話は世界にたくさんあります。読み比べると面白いです。
重厚なグリム童話KHM63「三枚の鳥の羽」と、豪華なロシアの「蛙の王女」⇒こちらに比べて、フランスの「プチ・ジャンとかえる」は明るく楽しい物語です。あちこちに笑いのツボが隠されています。

長いですが、中学年くらいから聞けるでしょう。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。


⇒まほうの話一覧へ

死者の国へ行った男

ししゃのくにへいったおとこ

ニカラグアの昔話

インディアンに伝わるふしぎな昔話。

あの世は湖の向こうにあります。日本では三途の川を渡りますが、同じように水がかかわっています。

この世に帰ってきたら長い年月がたっていたというのは「浦島太郎」と同じです。「ペドロのふしぎな話」⇒こちらや「さかべっとうの浄土」⇒こちらはその逆で時間がたっていません。
どちらにせよ、あちらの世界とこちらの世界は時間の流れ方が異なるのです。
そういえば、「ペドロのふしぎな話」も「さかべっとうの浄土」も水が境界に介在します。

高学年向き。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。



⇒まほうの話一覧

ゆでたまご

イランの昔話

ATU821B「ゆで卵から生まれたはずの鶏たち」
類話は、中近東をはじめヨーロッパにも広がっています。

まるで、一休さんや彦一のとんち話にそっくりです。
このようなとんちをテーマにした話は世界じゅうにたくさんあります。

短い話ですが、面白さが分かって「 あ、なるほど」と感心するのは、高学年以上でしょう。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。


⇒人間たちの話一覧へ

ライオンとねずみ

マケドニアの昔話

相手を見くびってはいけない。謙虚でいたいものです。

ATU75「弱者の助け」という話型で、世界中に広がっているようです。イソップ寓話にもあって、そちらのほうが有名ですね。

動物の話は幼い子にもよく理解できます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。


⇒動物たちの話一覧へ

ふたりの友

ふたりのとも

エチオピアの昔話

友情について描かれた昔話。

きちんと三回の繰り返しがあって、すっきりと分かりやすい形になっています。
貸したお金がふしぎに友達のところに戻ってきますが、これは状況の一致といえます。まほうではないけれど、奇跡を感じさせます。

エチオピアの東の海岸地方のダナキル族の伝承だそうです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。


⇒人間たちの話一覧へ

緑ずきん

みどりずきん

イランの昔話

冒頭、猟師の娘は、父親がとらえてきた馬と結婚します。
ああ、異類婚姻譚だなと気づきますが、この馬が、じつは《翼のある天使》だというところから、いっきに壮大なファンタジーの世界に入っていきます。
魔神の母親やおばが娘に難題を出し、亡き者にしようと追いかけてきます。呪的逃走のモティーフが、はらはらさせてくれます。
主人公の娘がさまざまな試練を乗り越えることで、夫緑ずきんはすくわれ、ふたりは幸せになります。

結末の「この上もなくぜいたくに、この上もなく楽しく暮らしました。」は、現実を生きる語り手聞き手たちにとっての願望であり、夢でもあるのでしょう。
この結末句、気にいっています。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

音声(YouTube)が表示されない場合はこちら⇒


⇒まほうの話一覧

くまのしっぽはどうして短くなったか

ノルウェーの昔話

ATU1「魚泥棒」+ATU2「しっぽの釣り」
この二つの話型が結びついている話は、よくあるそうです。
「魚泥棒」も「しっぽの釣り」も世界じゅうに広く語られている話です。ただ、「しっぽの釣り」はさすがに暑い国にはなさそうです。

日本の話としては、大阪の伝承を紹介しているので比較してみてください。⇒こちら

動物昔話は、人の世の比喩でもあるのですが、幼い子が喜ぶ話でもあります。
スウェーデンのこの話では、きつねが悪賢く、くまがまぬけという設定です。この動物の性格は、民族によって異なるようです。くまではなくおおかみやジャッカルが登場するものもあります。

どうぞ、冬に語ってください。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。


⇒動物たちの話一覧へ

娘とミルク

むすめとみるく

イソップ物語

イソップは古代ギリシャの人です。だから、とても古い話なのですが、今でも新鮮な響きがあります。
日本のことわざでは、「捕らぬ狸の皮算用」というところでしょうか。
ストーリーは小さい子どもでも分かりますが、娘の行為の愚かさかげんが分かるのは、四年生以上だと思います。おまけの話にどうぞ。

イソップについては、昔話雑学をご覧ください。こちら⇒


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。



⇒人間たちの話一覧へ

まほうの馬

まほうのうま

ウズベキスタンの昔話

長い話ですが、昔話でよく使われるモティーフが、つぎつぎ出てくるので飽きません。
はらはらさせる呪的逃走のモティーフ、じれったいウリアの手紙のモティーフ、援助者が自分をを殺してくれと頼む感動的なモティーフなどです。

敵役のディフが道化の要素を持っていて、笑えます。
呪的逃走の部分でのおひめさまとディフのやりとりは、もともと音楽的な要素があったと思われます。遊びの歌かもしれません。

ウズベキスタンは、中央アジアにあって、多民族国家。
古代からシルクロードの中継地点でもあった所です。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

音声(YouTube)が表示されない場合はこちら⇒

⇒まほうの話一覧へ

王さまの病気

おうさまのびょうき

マルタの昔話

大笑いしながら心が温まる話ですね。
この魔法、偶然といってしまえばそれまでですが、主人公のまっすぐな思いが生んだ奇跡だと感じます。

地中海のマルタ島は、日本の屋久島の半分くらいの面積の島です。そんな小さな島に伝わる小さなほほえましい昔話です。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。


⇒人間たちの話一覧へ