「由来話」カテゴリーアーカイブ

海の水はなぜからい

うみのみずはなぜからい

ノルウェーの昔話

ATU565「魔法のひき臼」

クリスマス・イヴのこと、貧しい弟が、金持ちの兄さんに食べ物を乞います。
いじわるな兄さんは、ベーコンをくれますが、「まっすぐ地獄へ行っちまえ」といいます。なんだかみじめで最低の状況です。
ところが、そのおかげで弟は地獄でまほうの引き臼を手に入れて、大金持ちになるのです。

この類話は世界中にあって、日本でも古くから語られています。
もともとは、北欧が発祥ではないかといわれています。

グリム童話では、KHM103「おいしいおかゆ」が類話です。
ずいぶん雰囲気が異なりますね。「おいしいおかゆ」では、地獄ではなく森の中。悪魔ではなく、おばあさん。やっぱり彼岸者ですが、援助者です。いじわる兄さんではなくお母さんです。お母さんにできないことを、小さな女の子がやってのけて、みんなをおかゆから救う。幼い子が満足できる話です。
「海の水はなぜからい」は、もう少し複雑な構造になっています。小学2年生くらいから楽しめるのではないでしょうか。クリスマス会や新年会にどうぞ。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。

とうもろこしおばさん

アメリカ・インディアンの昔話

北米インディアンには、トウモロコシの起源に関する話がたくさんあります。部族によってさまざまなヴァリエーションがあるようです。再話したのは、クリーク族に伝わる話。独特の雰囲気を追ったこの話は、昔話というより、神話というところでしょうか。

もともと、トウモロコシは、原産地が北アメリカです。人びとにとって重要な穀類でした。だから、おばあさん(女神)の愛が現れた物と考えたのかもしれません。

日本では、『古事記』に、穀物の起源神話があります。逃げてきたスサノオにオオゲツヒメが、鼻や口から食べ物を出してきて食事を与えますます。怒ったスサノオはオオゲツヒメを殺します。すると、オオゲツヒメの頭からカイコが生まれ、目から稲、耳から粟、というふうに、体の部分部分から様々な穀類が生まれるのです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

太陽が昇るとにわとりが鳴くわけ

たいようが のぼると にわとりが なく わけ

オーストラリアの昔話

ちょっと珍しい話を紹介します。話型も分かりません。
オーストラリアやニューギニアの昔話資料を読んでいると、「人間はどのようにして地上に散らばったのか」とか、「最初の火」とか「大地はどうやって作られたか」など、神話的な話がとてもたくさん残っていることが分かります。現代科学に至る前の、人間の自然への探求心がうかがえておもしろいです。

この「太陽が昇るとにわとりが鳴くわけ」の原題は、「太陽の誕生」です。エミューのたまごの中身がどれほど黄色いのか知りませんが、それが燃えるような明るさをもたらしたというのが、いいなあと思って再話しました。天に「よい神さま」がいたというのも、心があたたかくなります。

子どもたちに、にわとりの鳴きまねをしてはいけないと教えていますが、きっと生活の知恵なのでしょう。どんな理由があるのか知りたいです。
アジアやヨーロッパの話だけでなく、世界にはこんな話も伝えられているんだよと、高学年のおまけの話として語りたいです。

下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。