さんびきのこぶた
イギリスの昔話
イギリスの昔話「三匹の子ブタ」は、ディズニーをはじめとして、ずいぶん改ざんされた絵本や動画が、当たり前のように出回っています。
ここで紹介したのは、ジェイコブズが集めて再話したもので、語り継がれた元の形を大切にしたテキストを、日本語で再話しました。
この話は、動物の食い合いの話で、すべての命は他の命をもらって生きているという、命の真実を語っています。子どもには、改ざんしたものではなく、ほんものを伝えたいです。
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みどりずきん
冒頭、猟師の娘は、父親がとらえてきた馬と結婚します。
ああ、異類婚姻譚だなと気づきますが、この馬が、じつは《翼のある天使》だというところから、いっきに壮大なファンタジーの世界に入っていきます。
魔神の母親やおばが娘に難題を出し、亡き者にしようと追いかけてきます。呪的逃走のモティーフが、はらはらさせてくれます。
主人公の娘がさまざまな試練を乗り越えることで、夫緑ずきんはすくわれ、ふたりは幸せになります。
結末の「この上もなくぜいたくに、この上もなく楽しく暮らしました。」は、現実を生きる語り手聞き手たちにとっての願望であり、夢でもあるのでしょう。
この結末句、気にいっています。
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まほうのうま
長い話ですが、昔話でよく使われるモティーフが、つぎつぎ出てくるので飽きません。
はらはらさせる呪的逃走のモティーフ、じれったいウリアの手紙のモティーフ、援助者が自分をを殺してくれと頼む感動的なモティーフなどです。
敵役のディフが道化の要素を持っていて、笑えます。
呪的逃走の部分でのおひめさまとディフのやりとりは、もともと音楽的な要素があったと思われます。遊びの歌かもしれません。
ウズベキスタンは、中央アジアにあって、多民族国家。
古代からシルクロードの中継地点でもあった所です。
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がらすのやま
フランスのロレーヌ地方の話です。ロレーヌ地方は、ドイツ語ではロートリンゲンといいます。ちょうどフランスとドイツのあいだにあって、かつてはひとつの国でした。そこで、独自の文化が残っています。
ATU400「いなくなった妻を捜す夫」
この話型の話はとても人気があるようです。グリム童話にも3話入っています。(KHM92「黄金の山の王様」、93「からす」、193「太鼓たたき」)
どうして妻(姫)がいなくなったか、探す旅の道中の出来事、妻を奪還するための戦い、と、ストーリーが進むので、長い話になります。
いろいろなおなじみのモティーフが組み合わさっていって、いかにも昔話らしい話になっていきます。
ここでは、冒頭が、羽衣のモティーフで始まります。日本の「天人女房」とそっくりです。そして、見てはいけないというタブーを冒したために、妻は白鳥になって飛び去ります。
妻を捜して旅する伯爵は、極端に年とった隠者三人に出会います。3回のくりかえしがあります。
とちゅうで、動物たちの分配をアドヴァイスするというモティーフがあります。
動物たちは、お礼に贈り物をくれますが、その贈り物が、妻を救い出すのに、ぴったりの力を持っています。状況の一致ですね。
魔法がとけるときには、場所の一致や時間の一致が奇跡を感じさせてくれます。
竜の頭が七つあるとか、竜の命のありかが図形的であるとか、まるで昔話の語法のオンパレードですね。
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りこうなうさぎとゆうかんなやぎ
うさぎとやぎのチームプレーがうまいですね。
りこうなうさぎに対して、やぎは、おくびょうな部分もあるし、りこうな部分もあるし、のんきな部分も持っています。うさぎがトリックスターだとすると、やぎは、凡人、ふつうの私たちのような性格ですね。でも、友情のおかげで、「勇敢なやぎ」に成長します。
ブラジルの昔話には、先住民族が伝えた話と、ヨーロッパから侵略してきた白人たちの持ってきた話と、奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人たちが持ってきた話があります。
「りこうなうさぎと勇敢なやぎ」は、どれだと思いますか?
ブラジルにはいないライオンが登場していますね。そう、黒人が伝えた話です。
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ヤーノシュとてんまでとどくき
ぶた飼いの少年が王国をつぐ話。
極端に高く危険な来を登り、異界に行き、竜をやっつけてお姫さまと結婚するという典型的な男の子の成長話です。
竜(または鬼・巨人)の心臓が、体の中にないというモティーフは、意外性があって好まれるようです。ひとつの話型にもなっています。
天までとどく木は、ハンガリーの昔話の代表的なモティーフです。
シャーマニズムの信仰世界がもとになっているそうです。現在もハンガリー社会に伝承されていて、日常会話や広告文にまで多用されているとのこと。シャーマンの太鼓に多く描かれていて、農民の道具類にも見られます。

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こーすちんのむすこ
三人の息子の竜退治の話。
竜が、空から太陽と月を星を盗み出すという設定からして、とんでもないファンタジーです。
三人息子のうち、やっぱり末っ子が一番活躍します。でも、いざというときには上のふたりもちゃんと駆けつけて戦います。それが気分がいい(笑)
橋の上での竜と馬と息子の掛け合いが、かっこよくて気持ちがいいです。
スラブ民族の竜は、口を開けると上あごが天に届き、下あごが地に付きます。竜の大きさや勢いや恐ろしさをそういうふうに表現します。
切った張ったの戦い場面はありますが、まるでゲームやアニメのように図形的であとくされがありません。
3年生くらいから楽しめると思います。
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きんのさかずき
ジョージア(グルジア)共和国で採録された話。
ATU467「すばらしい花(宝石)の探索」。
この話型の類話はあまり多くはないようです。
長い話ですね。
でも、呪物や彼岸者が次々に出て来て、魔法が満載で、飽きさせません。
そして、ストーリーを貫いているのは、ふたりの盗賊との友情です。
期限までに帰らなければ人質が処刑されるというのは、太宰治『走れメロス』を思い出させます。じつは、太宰は、古代ギリシャの伝承とシラーの詩をもとにメロスを書きました。つまり、この友情ストーリーは、さかのぼれば紀元前4世紀ごろからあって、その流れは今に続いているということです。
友情や誠実さというものは、常に人の心を打つもののようです。
ぜひ、高学年の子どもたちに語ってください。
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太陽の神、金のりんご。明るい雰囲気なのは、地中海の話だからでしょうか。
母親との約束で、太陽の神ヘーリオスは十二歳になったマルーラを連れ去ります。このモティーフはよくありますが、誘拐するのは魔女や悪者であることが多いようです。けれども、ヘーリオスは恐ろしい存在ではありません。悲しんでいるマルーラを見て、家に帰らせます。
マルーラを家まで送る動物として、ライオン、きつねは失格で、しかが送ることになります。
木の上のマルーラの姿が水にうつっているのを見て、魔女の娘が自分の姿だと勘違いするモティーフ。魔女の娘は三人です。
帰宅のとき、マルーラに気付くのは、犬、ねこ、おんどりです。
3回のくりかえしが重なって、リズムが生まれていますね。
マルーラが結局は母のもとに帰ることを思えば、この話を喜ぶ年齢は、あまり高くないと思います。
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