ふらんちぇすこのはなし
イタリアの昔話
イタリアのコルシカ島で語られた話です。
ATU330「鍛冶屋と悪魔」
鍛冶屋が悪魔を出しぬく話の仲間です。もともとは、ユーモラスな話です。「みじめおばさん」⇒こちらも類話です。
でも、ずいぶん雰囲気が異なるのは、ストーリーが主人公フランチェスコの一代記のように展開しているからでしょう。
昔話というより伝説的であり、同時に小説のような世界観です。
大人や、人生や生と死について深く考える年ごろの若い人に。
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心臓が体の中にないので、だれにも殺されることがないという敵役が、昔話には出て来ます。
では、ほんとうにやっつけられないかというと、自分の心臓がどこにあるのかという秘密を、つい話してしまって、身を滅ぼします。たいていは、妻に、話すのです。
この話の主人公は男性ですが、女性が心臓のありかを聞き出すシーンが見せ場です。
形としては、動物の恩返しの部分が前半、敵をやっつける部分が後半ですが、サラマルをやっつけるには、前半の動物の恩返しの部分が不可欠です。
それで、長い話になりますが、次にどうなるのかと展開に目が離せないので、時間を感じさせません。
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どこかで聞いたことがあるお話だと思いませんか?
そう、グリム童話です。
グリム童話の69「ヨリンデとヨリンゲル」にそっくりですね。
ATU405。話型名も「ヨリンデとヨリンゲル」です。
グリム童話では、兄妹の話ではなくて恋人同士の話になっていますし、魔法を解く呪物は夢で見た赤い花です。
「ヨリンデとヨリンゲル」を読んだ時には、ロマンチックで、若者向きの話だなあと思ったのですが、この「ヤネケンとミーケン」は、聞き手の年齢は少し下だと思います。短いし、アフリカの大魔術師とか、わくわくする要素が入っていますしね。
ぜひ語ってみてください。
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たまごーななにんのつまをもつきょじん
ATU302「卵の中に隠された鬼の(悪魔の)心臓」
心臓が体の中にないなんて、とんでもないファンタジーです。類話は世界じゅうにあります。
フランスのこの類話では、心臓が卵の中にあるのではなくて、卵を巨人の胸の上でつぶしたら、巨人が死ぬということになっています。
動物たちが主人公に獲物の分配をたのみ、公平に分配できたら、動物に変身する力をあたえられるというエピソードが興味深いです。
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さんにんきょうだい
トルコの昔話
ATU653「技を持った四人兄弟」
修業に出て特技を身につけて帰ってくる兄弟は、4人のこともありますが、このトルコの話のように3人のこともあります。といっても、この3人は、特技ではなくて、ふしぎな宝物を手にいれてくるのですが。
3人(または4人)は、その特技によって、お姫さまを助けます。そして王さまからのほうびとしてお姫さまと結婚することになるのですが、さて兄弟のうちだれがその幸せを手にいれることができるでしょう。
類話によっては、お姫さまの代わりに、お金や国の半分をもらいます。また、お姫さまが夫を決める話もあります。
日本にも類話があります。比較してみてくださいね。
「三人の兄弟」⇒こちら
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くつをはきつぶすおひめさまたち
ATU306「踊ってすり切れた靴」
ヨーロッパを中心に伝わっている話のようです。グリム童話にもあります。KHM33。
グリム童話では、援助者としてひとりのおばあさんが登場します。おばあさんは、挑戦者の兵隊に、「ぶどう酒を飲んではダメ」「寝たふりをせよ」というふたつの言葉による贈り物とすがたが見えなくなるマントをくれます。
けれども、今回紹介したハンガリーの話では、おばあさんは出て来ません。眠くなるのは、眠り薬のせいではなく、どこからともなく吹いてくる風(超自然の力)です。若者が眠気に打ち勝つのは、末のお姫さまの恋心のおかげです。あとは自分自身の力で幸せを勝ちとります。
地下の世界の銅の森、銀の森、金の森、そして黒いお城。不思議な世界です。
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あかつき、ゆうべ、よふけ
ATU301「3人のさらわれた姫」
類話は世界じゅうにありますが、とくにヨーロッパでは人気のある昔話です。
美しいおひめさまたちが、地下に棲む蛇や竜などの怪物にさらわれます。
お姫さまたちを救いに3人の兄弟が出かけて行きます。例のごとく、成功するのは末っ子です。
末っ子がお姫さまを助け出して井戸から引き上げてもらうとき、ふたりの兄さんが裏切る話がよくありますが、この「あかつき、夕べ、夜ふけ」では、そうではありません。3人兄弟は、救い出した3人のお姫さまと結婚して幸せになります。
長い話ですが、満足感があります。
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