「笑い話」カテゴリーアーカイブ

半分のにわとり

はんぶんのにわとり

ロートリンゲン(フランス)の昔話

音声は小学2年生。

ロートリンゲンは、フランスのドイツ国境近くの地域です。フランス語ではロレーヌ地方。

にわとりが半分になっても生きているのが不思議なのですが、昔話には半分の人間の話もあるし、子どもたちは、え~っ!と驚きながらも、おもしろそうにストーリーについてきます。

にわとりのからだは、きちんと二つに分かれて血も流れない、横から見たら図形的には丸ごと一羽と変わりはない。《昔話の語法》のページ「図形的に語る」の項を見てください。平面性があらわれているところです。⇒こちら

にわとりが出かけるのは、貸したお金を返してもらうためです。「外的刺激」によって旅立つのです。
とちゅうで、鳥、オオカミ、池と道づれになり、からだの中にいれて、自分の力にします。

鳥、オオカミ、池の特性にぴったり合った難題がふっかけられ、みごとクリアします。状況の一致ですね。

用がなくなったら、鳥もオオカミも池も元に戻ります。援助者は必要なときに必要な場面でのみあらわれるのです。友達になっておつき合いを続けることはないのです。

主人公は本質的なものと出会うために旅に出なければならない、のです。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

2年生のライブが聞けます。



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三びきのくま

イギリスの昔話

音声は1年生のライブ。

よく知られているのは、女の子が主人公のロシアの昔話ですね。
イギリスのこの話はおばあさんがくまの家にやってきます。だから子どもたちは主人公と一体になることはなくちょっと離れて見ています。むしろくまたち、とくに一番小さいくまに心を寄せているようです。それで、勝手に他人の家に入り込んで食べたり寝たりするおばあさんを、ちゃんと批判することができます。
二階の窓からとび出したおばあさんがどうなったか、想像して楽しそうに話してくれますよ。

三回の繰り返しのリズムが心地いいので、四歳の一学期から聞けます。

テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

1年生のライブが聞けます。



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うそつきくらべ

タイの昔話

美しいおひめさまをめぐって、若者と大臣たちが争います。
謎解きに引き込まれているうちに、お、かしこいなあ!
もちろんハッピー エンド、若者の勝ち。結婚式で、めでたし、めでたし。
なんと知恵のある若者なんでしょう!

4年生以上で語ろうかなあと再話しました。
聞きなれた子どもたちなら3年生くらいでも楽しめるかもしれません。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

語りを聞けます。



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六ぴきのうさぎ

モンゴルの昔話

とにかく音声を聞いてください!
こんなに子どもたちが喜ぶとは思いませんでした。それで、わたし、かなり動揺しながら語っています ( 笑 )  
聞き手は1年生。
臆病なうさぎの話はよく知られていて、わたしも幼児期に絵本で読んでもらっていました。でも、あまり面白いとは思わなかったのです。今回、子どもに語って、分かりました!このはなしは、語ってこそ面白い、語ってなんぼの昔話だったんですね ( 笑 )
昔話の語法にのっとって、繰り返しは同じ言葉を使って再話しました。それが楽しいリズムになりました。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。ぜひ語ってくださいね。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』にも掲載しています。こちら⇒書籍案内

1年生のライブが聞けます。



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犬を書いて飲む

いぬをかいてのむ

朝鮮半島の昔話

「 だんだんのみ 」 とか 「 かえるをのんだととさん 」 で知られている話の類話です。「 だんだんのみ 」 は鬼が豆をまかれて退散しますね。節分の話のよう に思い込んでいました。だから、「 犬を書いて飲む 」 の原話を見つけたときは、おお、びっくり!
このように、鎖のようにつぎつぎと事柄や物がつながってストーリーが進む話を、累積譚といいます。ほかにどんな話があるか、《昔話雑学》で確認してください。こちら⇒


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語りを聞けます。




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ありとこおろぎ

インドネシアの昔話

類話は世界じゅうにあります。次々にものを頼みに行くだけの話なんだけれど、その動機は話によっていろいろです。
例えばイギリスのジェイコブズの 「 おばあさんと豚 」 とはずいぶん違います。「 ありとこおろぎ 」 では、友だちを助けるためです。しかもハッピーエンド。原話を読んだとき、思わず笑みがこぼれました。こんな話が語りたかったんだって思いました。でも語ってみると大変でした。早口ことばの練習みたいなもんでした。音声は5年生のライブですが、とちゅうから、一区切りずつに 「 ん 」 「 ん 」 「 ん 」 ってかけ声が入っているの、聞こえますか ( 笑 ) ?
2年生では、こおろぎが雌牛に 「 ……川に落っこちたありを助けるんだ! 」 と言い切ったとき、拍手が起きました ( 笑 ) 。 本当はこちらの音声を聞い ていただきたかったのですが、残念ながらICレコーダーのスイッチを入れ忘れていました。聞き手といっしょに弾けて楽しむおはなしだと思います。


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テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』にも掲載しています。こちら⇒書籍案内

5年生のライブが聞けます。



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ジャックが幸運を見つけに行くはなし

ジャックがこううんをみつけにいくはなし

イギリスの昔話

イギリスのジェイコブズの集めたおはなし。
ストーリーはグリムの 「 ブレーメンの音楽隊 」 と同じです。でも、ジェイコブズのほうは、ストーリー展開を楽しむだけでなく、むしろくり返しの面白さに重点があるように思います。だから、繰り返しのリズムを楽しみつつ、場面が分かるように語るのが、ちょっと難しい。
「 脱穀 」 って、耳で聞いてわかるかな? 「 麦を打つ 」 にしようかな、と迷いました。でもそれでは正確じゃないしね。「 殻竿 」 。大人でもたいていはわかりませんね……。「 さお 」 からイメージできるかな、と思い切りました。
リズミカルに語ることで、少々知らない言葉があっても楽しめると思います。子どもが尋ねたら、あとで説明するといいですね。


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語りを聞けます。




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みじめおばさん

ドイツの昔話

『 グリム兄弟の知らなかったおはなし 』 が原話です。弘法伝説のように、聖者が旅人として訪れる話は、ヨーロッパにもあります。グリム童話の 「 貧乏人と金持ち 」 もそうですね。「 みじめおばさん 」 もそのひとつです。

死神が木にくっついて離れなくなるモティーフも、ヨーロッパではよく出てきます。わたし 「 それから、世の中はどうなったと思いますか? 」 子ども 「 わからない 」 「 老人が増える 」 。音声は、図書館でのおはなし会のようすを録音したものです。「 老人が増える 」 ……いまどきですねえ ( 笑 ) 少し前は、子どもたち、「 死ななくなる 」 といいましたね。

ところで、ずうっとしゃべり続けている2歳さんの声、聞こえますか? ( 笑 ) それでも、ほかの子たちの集中は途切れていないでしょう。かつての囲炉裏端での語りのひと時も、こんな感じだったのかなあと思います。



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図書館でのライブが聞けます。




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豆のつる

まめのつる

リトアニアの昔話

こぼれた豆が芽を出して天まで届く。天上の世界にいたのは神さま! 笑い話です。
音声は小学3年生。子どもたちの声、聴いてください。「 ハッピーエンドと違うやん 」 っていってるでしょ。その向こうでおじさんの声が聞こえませんか?これは担任の先生の声。「 世界にはいろんな話があるいうことやなあ 」 っておっしゃってる ( 笑 )
なぜお父さんが一人になってよかったのか、自論を展開してる子もいましたよ。


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3年生のライブが聞けます。




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