おはなしの練習

これは、入門のページに書くべきことかもしれません。いまさらですが、ちょっと考えてみましょう。いったん覚えてからの練習についてです。

語りはじめて何年かたち、レパートリーが少し増えてくると、自分なりの練習方法ができてきます。それはとても良いことです。が、たまにはこれでいいのかと見直すことも必要ではないでしょうか。

というのは、「ある種の話はなかなか覚えられない」とか、「練習ではうまくいくのに、本番では思うように語れない」とか、「自分ではうまく語れているつもりなのに、勉強会で批判される」とか、経験を積むにしたがってさまざまな問題がつぎつぎにおそいかかってきます。その原因が練習量と練習方法にあるのではないかと、私は思うのです。もちろん、自戒を込めて、です。 

まず、練習量。

覚えるのが早い人っています。また、話によってはとても早く覚えられたりもします。でも、おはなしは、言葉を覚えたらそれでいいというものではありません。その言葉を血肉に変えるためには、時間が必要です。繰り返し繰り返し自分に聞かせる。しばらく寝かせてからまた取りだして練習する。

私は、自分で再話した話や日常語に直した話は、すぐに覚えられるのですが、安心しているとすぐに忘れてしまいます。イメージやストーリーは忘れないのですが、「これぞ」と思った大事な言葉が口にできなかったりして、とっても悔しい思いをします。

練習、練習、また練習です(笑)
そうやって言葉を定着させます。 

つぎに、練習方法。

1、大きな声で練習しましょう。

丹田を意識してお腹から声を出します。
これは、実際のおはなし会で子どもたちに語るときの発生の仕方ですね。部屋の大きさと聞き手の人数に合わせて、全員が苦労せずに聞き取れる声を出さないといけません。ふだんからその声で練習します。

声くらい本番になったら出せるだろうと高をくくってはいけません。本番では練習の時以上の語りはできないと肝に銘じておくべきです。
モソモソと練習して完璧に仕上がったと思っても、さて大きな声で練習しようとすると、詰まったりすることはよくあります。ウォーキングしながら繰り返し練習するだけでは、実践力にはならないのです。まあ、よっぽど肝っ玉の太い人や地声の大きい人は別ですけどね。 

2、たまには、いろいろな語りかたを試してみましょう。

例えば、読点を無視して、一文をひと息に語る。早口言葉のようにぺらぺら語る。一語ずつ丁寧に確かめるように語る。役者のように思い切り演技してみる。思い切りつまらなく棒読みする。一定のテンポで家の中を歩き回りながら語る。
あくまでも、練習、試すだけですよ。極端にやってみて、ちょうどいいと自分が感じる語りかたを模索してみてください。そうすれば自分の語りかたに幅と厚みが出てきます。お話にはそれぞれ姿があることは前回書きました。その姿に適した語りかたが自然にできるようになるための練習です。

また、ひとつのおはなしの流れなのかでも、早く進むところやじっくりイメージしたいところ、ハラハラドキドキしたいところなど、さまざまに山あり谷ありですよね。それをくっきりイメージできるように語るためには、いつも同じ一本調子ではだめですよね。

自在に表現するためには、極端な練習も役に立ちます。いつもいつも自分の理想形ばかり追うよりも、自由度が増して、練習が楽しいです。

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