三羽の小さなメンドリ

さんわのちいさなめんどり

フランスの昔話

ATU124「家を吹き飛ばす」

イギリスの昔話「三匹の子ブタ」⇒こちらやフランスの「こぶたのリコション」⇒こちらの類話です。
この動物たちの織りなすおはなしは、幼い子どもが喜びます。ストーリーが単純で、ことばがリズミカルだからです。
「だめ、だめ、だめ、あんたはおおかみでしょ。あたしを食べるつもりでしょう」や「タンとふんで、トンとふんで」の繰り返しは音楽的に楽しく語りたいものです。

結末句の「オンドリがないたぞ おしゃべりは おしまいだ」もおもしろいですね。


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三人兄弟

さんにんきょうだい

トルコの昔話

ATU653「技を持った四人兄弟」

修業に出て特技を身につけて帰ってくる兄弟は、4人のこともありますが、このトルコの話のように3人のこともあります。といっても、この3人は、特技ではなくて、ふしぎな宝物を手にいれてくるのですが。

3人(または4人)は、その特技によって、お姫さまを助けます。そして王さまからのほうびとしてお姫さまと結婚することになるのですが、さて兄弟のうちだれがその幸せを手にいれることができるでしょう。
類話によっては、お姫さまの代わりに、お金や国の半分をもらいます。また、お姫さまが夫を決める話もあります。

日本にも類話があります。比較してみてくださいね。
「三人の兄弟」⇒こちら


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妖精ウールヴヒルドル

ようせいウールヴヒルドル

アイスランドの昔話

ATU306「踊ってすり切れた靴」
おなじ話型に、グリム童話KHM133「踊ってすり切れた靴」があります。また、イギリスの「カトリンがくるみをパチリと割った話」⇒こちら、ハンガリーの「靴をはきつぶす王女たち」⇒こちら、ロシアの「りこうなエレーナ姫」も類話です。地下の世界に行って妖精に会う話ですが、さまざまなバージョンがあって面白いです。

この「妖精ウールヴヒルドル」は、地名がはっきり示されていて、ほとんど伝説といっていいと思います。ふしぎな雰囲気を持った話ですね。

クリスマスにどうぞ。


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ふたりの騾馬ひき

ふたりのらばひき

イタリアの昔話

ATU613「ふたりの旅人」

紀元2世紀ごろに成立したとされるインドの説話集『パンチャタントラ』に類話がのっているそうです。古い話ですね。中国の仏教文学やヒンズー教の説話集、中世の『千一夜物語』などなど、本の中にたくさん記録されていますが、口伝えの話も、ヨーロッパからアジア、アフリカまで広く語られているようです。

ここで紹介した話は、神さまを信じる者と悪魔を信じる者とがふたりで旅をします。類話では、正直者と不正直者だったり、欲張りとそうでない者だったりしますが、ふたりの生き方は、極端に対照的です。

目を取られた者が秘密を聞く相手は、悪魔、妖精、動物です。かれらはその秘密を人に聞かれると、腹を立ててその人を殺してしまいます。だから、人間に敵対しているようですが、主人公にとってはそのおかげで救われるのですから、援助者としての役割を担っています。


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カトリンがくるみをパチリと割った話

かとりんがくるみをぱちりとわったはなし

イギリスの昔話

ATU306「踊ってすり切れた靴」
グリム童話に類話があります(KHM133)が、あの話と同じ話型です。
「踊ってすり切れた靴」では、地下の不思議な世界で踊りまくるのはお姫さまたちですが、「カトリンが~」では王子さまです。
王子さまを妖精の手から救い出すのが主人公の少女カトリンです。「踊ってすり切れた靴」では旅の兵隊がお姫さまたちを救い出します。救い出すのはどちらの話でも、たまたまやって来た旅人ですね。
リュティによると、昔話の主人公は、本質的なものと出会うために旅に出るのですが、この話ではふしぎな世界にとらわれている人を救い出します。そしてそのことで自分自身が幸せになります。


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りこうなエレーナ姫

りこうなえれーなひめ

ロシアの昔話

悪魔は必ずしも主人公に悪さをするばかりではありません。
この話では、悪魔は、助けてくれたお礼に、なんでも兵隊のいうとおりにします。

悪魔に美しい娘が三人いるというのも意外で面白いですね。

ところで、ハトになった娘たちに知恵をさずけるというエレーナ姫は、いったい何者なのでしょう。

ATU306「踊ってすり切れた靴」の類話です。


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靴をはきつぶすお姫さまたち

くつをはきつぶすおひめさまたち

ハンガリーの昔話

ATU306「踊ってすり切れた靴」
ヨーロッパを中心に伝わっている話のようです。グリム童話にもあります。KHM33。
グリム童話では、援助者としてひとりのおばあさんが登場します。おばあさんは、挑戦者の兵隊に、「ぶどう酒を飲んではダメ」「寝たふりをせよ」というふたつの言葉による贈り物とすがたが見えなくなるマントをくれます。
けれども、今回紹介したハンガリーの話では、おばあさんは出て来ません。眠くなるのは、眠り薬のせいではなく、どこからともなく吹いてくる風(超自然の力)です。若者が眠気に打ち勝つのは、末のお姫さまの恋心のおかげです。あとは自分自身の力で幸せを勝ちとります。

地下の世界の銅の森、銀の森、金の森、そして黒いお城。不思議な世界です。


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あかつき、夕べ、夜ふけ

あかつき、ゆうべ、よふけ

ロシアの昔話

ATU301「3人のさらわれた姫」
類話は世界じゅうにありますが、とくにヨーロッパでは人気のある昔話です。

美しいおひめさまたちが、地下に棲む蛇や竜などの怪物にさらわれます。
お姫さまたちを救いに3人の兄弟が出かけて行きます。例のごとく、成功するのは末っ子です。

末っ子がお姫さまを助け出して井戸から引き上げてもらうとき、ふたりの兄さんが裏切る話がよくありますが、この「あかつき、夕べ、夜ふけ」では、そうではありません。3人兄弟は、救い出した3人のお姫さまと結婚して幸せになります。

長い話ですが、満足感があります。


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「あかつき、夕べ、夜ふけ」前半
「あかつき、夕べ、夜ふけ」後半


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白くま

しろくま

スウェーデンの昔話

冒頭で、3人の娘たちの予言が出て来ます。この娘たちは彼岸の存在で、のちに下の王子(主人公)の旅を助けます。
娘たちの贈り物は3匹の犬です。この犬も彼岸の存在かと思いきや、最後に変身します。
白くまは、主人公の敵役です。

中学年以上向き。


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火打ち道具と兵隊

ひうちどうぐとへいたい

オーストリアの昔話

ATU562「青い火の中の精霊」
火打石をこするとあらわれるのは、巨人とか小人、鉄の男などの精霊が多いそうですが、この話では、目玉の大きな三匹の犬です。
グリム童話にも類話があります。「青いランプ」。文学作品では、アンデルセンの「火打ち箱」があります。
『千一夜物語』の「アラジンと魔法のランプ」は、ストーリーは異なりますが、ランプをこすると援助者としての魔人があらわれるという、印象的なモティーフは同じですね。


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