おばあちゃんの話

おばあちゃんのはなし

フランスの昔話

ATU333「赤頭巾」

とっても有名な「赤ずきん」は、グリム童話に収められていますね。グリム兄弟による再話ですが、さかのぼると、ペローにも「赤ずきん」があります。

グリムの「赤ずきん」では、おおかみに飲みこまれた赤頭巾とおばあさんは、猟師に助けられますが、ペローの「赤ずきん」は、おおかみに食べられたところで終わります。

さて、今回紹介する「おばあちゃんの話」は、そのペローの時代より前から人びとのあいだで語られていた「赤ずきん」のひとつです。
狼男との会話がリズミカルに繰り返されますが、聞き手の子どもたちの緊張はどんどん高まっていきます。

子どもは恐い話が好きですが、これはこわがって楽しむおはなしです。
子どもとの信頼関係をもとに、じょうずに恐がらせてあげてくださいね。


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ごろごろ川の鍛冶屋

ごろごろがわのかじや

オーストリアの昔話

ATU330「鍛冶屋と悪魔」
鍛冶屋が悪魔を出しぬく話です。
鍛冶屋も悪魔も日本ではあまり身近ではありませんが、ストーリーはとっても面白くて笑えます。ちょっとこわくて、ちょっとはらはらしてしかもめっちゃ笑える。ギャングエイジがよろこぶ話です。

この悪魔は、死神に置き変わることがあります。
悪魔や死神を出しぬく主人公は、トリックスターでもあります。こちら⇒トリックスター

今後、類話をいくつか紹介していこうと思いますが、いま公開しているのは「みじめおばさん」です。こちら⇒みじめおばさん


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カテリネッラ

イタリアの昔話

ATU333「赤頭巾」
グリム童話で有名な「あかずきん」ですが、そのもとになったのはペローの「あかずきん」です。そして、ペローの「あかずきん」も、もとになった口伝えの話がありました。
こうして、口伝えの話は、口伝えの形で発展したし、ペローやグリムも口伝えされていきました。だから、いろんな「あかずきん」が存在するのです。
「カテリネッラ」は、子どもが「恐い話して!」って言ったときにお勧めの話です。


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ふくろうをからかうな

スイスの昔話

スイスアルプスといえば、わたしたちは、ハイジを思い起こすし、すばらしい自然の絶景が目に浮かびます。それで、憧れでもあるんですが、もともとは、とても厳しい自然が立ちはだかる場所でもあります。
そんな場所では、人びとは、自然の中の説明できないものにおそれをいだき、化け物のせいだと考えがちです。
このはなしの「ふくろう」も、そんな存在です。


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のこりの目玉

のこりのめだま

イスラエルの昔話

貧しくてどうしようもなくなった男が助けを求めるのが、神さまではなくて、悪魔というのが意外です。そして、その恐ろしいはずの悪魔が、ひとりの子どもに追い払われます。ここでも、逆転のおもしろさがあります。
子どもの生きるパワーにスカッとする話です。


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豆の皮

まめのかわ

イスラエルの昔話

たとえ話です。
人間、自分が一番つらいと思っていても、もっと苦しんでいる人がいるものです。
苦しみやつらさは相対的なもの。比較する必要はないのですが、少し周りを見回して視野を広げると、隣人の苦しみが見えてきます。そして、自分を客観的に眺めることができます。
生きることについて、昔話は、こういうたとえ話で教えてくれてるんですね。


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六つの真理

むっつのしんり

ドイツの昔話

貧しくて極限状況になった主人公が、悪魔との契約で窮地から脱出するのですが、契約の期限が来て、今度は悪魔からどうやって逃げるかという問題にぶつかります。このような話は、たくさん残っています。
キリスト教の色合いの強い話なのですが、宗教と関係なくても人間生きていればそのようなことにぶつかります。人生を何とか切り開いていくにはどんな態度でいればよいのか、教えてくれるようです。

ATU812


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ちょうむすび

ドイツの昔話

悪魔というのは、本来、恐ろしい存在なのですが、なぜか人間にやっつけられる愚かな面があります。
そんな話が世界じゅうにあって、国際昔話話型カタログ(ATU)では、「愚かな鬼(巨人、悪魔)の話」として第1000番から200種類ほどあります。
こんな話を生み出す民衆の精神がとても健康で愛すべきだなあと感じます。

「ちょうむすび」は、人間が悪魔に、悪魔のできないことをやらせて、自分の魂を救う話型に属します。
類話には、悪魔に、おならや息をつかまえて結び目をつくらせたり、こぼしたブランデーで結び目を作らせたり、音をつかまえさせたりします。


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まだらの雌牛よ、フルフル

まだらのめうしよ、ふるふる

モンゴルの昔話

田んぼのお米を食べる鳥をつかまえたのですが、命を助けてやると、恩返しにまだらの雌牛をくれます。
この鳥は、主人公のおじいさんを助けてくれる援助者ですね。
鳥は、雌牛といっしょに言葉の贈り物もします。「まだらの雌牛よ、フルフルといってはいけませんよ」
ところが、おじいさんは、さっそくこの言葉を唱えます。そしてそのおかげで富を手に入れるのです。
昔話では、禁令は破られるという構造を持っていますが、あまりにもストレートなので、思わず笑ってしまいます。

ATU563「テーブルとロバとこん棒」。
よく知られているノルウェーの昔話「北風に会いに行った少年」と同じ話型ですが、主人公のおじいさんが、したたかなのに、のんびりした空気感があっておもしろいです。


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歌うふくろ

うたうふくろ

スペインの昔話

子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。

ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。


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