「なるほど話」カテゴリーアーカイブ

娘とミルク

むすめとみるく

イソップ物語

イソップは古代ギリシャの人です。だから、とても古い話なのですが、今でも新鮮な響きがあります。
日本のことわざでは、「捕らぬ狸の皮算用」というところでしょうか。
ストーリーは小さい子どもでも分かりますが、娘の行為の愚かさかげんが分かるのは、四年生以上だと思います。おまけの話にどうぞ。

イソップについては、昔話雑学をご覧ください。こちら⇒


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かぜをひいたうさぎ

ミャンマーの昔話

ミャンマーは多民族国家です。
古くから、さまざまな民族が移動してきて、そのたびに戦いがありました。
かつて第2次大戦のおりには、日本軍も占領していました。『ビルマの竪琴』は有名ですね。
現在は、クーデターにより、軍事政権になっています。
為政者がころころ変わる中で、個人はどのように生き延びればいいのでしょう。
「かぜをひいたうさぎ」では、くまのように正直でも、さるのようにごまをすっても、生きられません。
うそをついて逃げるうさぎの生き方もアリだということでしょう。


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主がそうなら道具もそう

あるじがそうならどうぐもそう

パキスタンの昔話

「主がそうなら道具もそう」というのは、パキスタンのことわざのようです。
人の行為は、時代や国の政治情勢や環境に強い影響を受けるということです。
日本にも同じ意味のことわざはあるでしょうか?寡聞にして知りません。

王の夢判断という課題が3回くりかえされます。
お百姓は蛇の助言によってほうびをもらいますが、へびに対する思いが3回とも異なっていて、ハラハラさせられます。
「あんたのしたことは、あんたのせいじゃない」というへびの言葉に、ホッとすると同時に、社会に対してよく目を見開いておかねばという教訓を感じました。

高学年から大人向きの話です。


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うさぎとライオン

タゲスタンの昔話

タゲスタンはカスピ海の西、カフカス山地の東、ロシアの一部です。
小さな者が強い者に知恵を使って勝つ話はどこにでもあるのですね。

みんなが、ライオンに食べられても仕方がないと思っているのに、うさぎだけは自分から食べられに行くなんてまっぴらだと考えます。この生き方に共感して再話しました。
このうさぎはトリックスター(こちら⇒)として登場しています。


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福の神はくさったさくらんぼの中に

ふくのかみはくさったさくらんぼのなかに

マケドニアの昔話

ATU「宝は自分の家にあり」
夢で「ある場所に行けば好い事がある」と聞いて行ってみるが見つからず、そこで出会った人から「夢など信じるな」といわれてその人の夢の話を聞く。その夢のおかげで、宝は自分の家にあることが分かるという話。

この話型は、ヨーロッパでは、橋と関わって語られることが多いです。夢に見て出かけて行く所が、イギリスのロンドン橋やチェコのカレル橋、ドイツのモーゼル橋などなど。
日本の「みそ買い橋」(こちら⇒)は、イギリスの昔話「スウォファムの行商人」からの翻案です。

「福の神はくさったさくらんぼの中に」には、橋は出て来ません。さて橋のあるのと無いのと、どちらのほうが古い形なのでしょう。


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非暴力

ひぼうりょく

インドの昔話

インドの昔話集を読んでいると、「これも昔話?」と思うような話がたくさんあります。耳慣れた日本やヨーロッパの昔話とは一風異なる話です。この「非暴力」もそのひとつです。
さすが、ガンジーの生まれた国だなと思います。

インドには、伝道師たちが語り伝えた話がたくさんあるようです。
今回紹介した話は、19世紀の偉大なベンガルの聖者ラーマクリシュナが語ったものとのことです。


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かめとぞうのかけくらべ

アフリカ コンデ族の昔話

二匹の動物が競走をする話は、さまざまなバージョンで世界じゅうにあります。

@うさぎとかめが足の速さを競い合って、うさぎが時間に余裕があると思って寝ているあいだにかめが追い抜く「野ウサギとカメの競走」―ATU275A。イソップ寓話にありますね。もしもしカメよ~🎵っていうあれです。

@ザリガニがキツネのしっぽにつかまって勝つ「キツネとザリガニの競走」―ATU275B。これは、駆けっこのバージョンと跳びっくらのバージョンがあります。おはなしひろばに日本の類話で「たにしとたぬき」を紹介しています。(こちら⇒)『語りの森昔話集2ねむりねっこ』に載せています。

@ハリネズミが、親族に、競走区間のむこうの端で待つように頼む、または数匹の親族を競走区間に沿って配置する。野ウサギは端から端まで走りついには疲れはててしまう「野ウサギとハリネズミの競走」ATUC。
登場する動物は、他にも、かに、かえる、だに、かたつむり、カメレオン、ジャッカルなどがいます。伝承地で身近に見かける動物なんでしょうね。

ここではかめとぞうが競争しますが、前半は、跳躍を競い合い、後半は足の速さを競い合います。妻や親戚に頼んで勝つので、ATU275Cです。

この類話は、グリム童話にもあります。KHM187「うさぎとはりねずみ」。第5版から童話集に入っています。グリム自身の註に、「この昔話の相当な古さは疑うべくもない」とあります。そして、この話には教訓がついていて、「教訓1、人を馬鹿にしてはいけない。教訓2、自分と似たものを結婚相手に選ぶこと」。

ブログ井戸端会議にマックスリュティによる興味深い解説があるので、参考にしてください。(こちら⇒


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かにの親子

かにのおやこ

イソップ寓話

これは昔話ではありません。イソップ寓話と呼ばれるものです。
寓話とは、平たく言えば、たとえ話の事です。人の行いを正したりさとしたりするために作られたものです。
昔話は、作者がいるわけではありませんが、この話はイソップが作ったものです。

イソップは、紀元前6世紀の人だといわれています。だからとっても古い話です。でも、少しも古臭く感じないのは、人間ってあんまり進歩していないからなのでしょうか?

「かにの親子」は日本の昔話にもあるので、昔話通観でさがしたのですが、見つかったのは数話にすぎませんでした。しかも再話する程のしっかりした伝承ではなかったので、もともとのイソップ寓話を再話して紹介することにしました。
同じ話がなぜ日本の昔話にあるのか、という疑問があります。
きっと、イソップの話がもとになっていると思います。というのも、イソップ寓話は、江戸時代の始めに、『伊曽保物語(いそほものがたり)』として日本語に翻訳されて広まっているからです。

これからの季節、おまけの話にどうぞ。

テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

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カンチルととら

インドネシアの昔話

この話は、前回紹介した「カンチルとワニ」⇒こちらの後半です。幼い子に語りたかったので、長い話をふたつに分けました。

小さくて弱い存在は、自然界では淘汰されます。人間社会でも同じようなことが言えるでしょう。だから、カンチルが、決定的な強者ワニやとらを手玉にとるこれらの話は、子どもたちには痛快なのだと思います。
ただ、ほんとうのワニやとらの恐さを知らない子どもたちは、とらに同情してしまうかもしれません。

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カンチルとワニ

インドネシアの昔話

カンチルというのは、和名をマメジカといって、東南アジアの熱帯雨林に棲む小さな鹿です。うさぎくらいの大きさのとっても弱い動物で、森の中でいつも大型動物に命をねらわれているそうです。
その弱い存在のカンチルが、知恵を使って強い動物をやっつける物語が、インドネシアやマレーシアに伝わっています。「マメジカ説話」といって、ほんとうにたくさん残っているそうです。

ATUでは58番「ワニがジャッカルを運ぶ」に分類されています。
ワニを数えるのは、カンチルだけではなく、ジャッカルであったり、うさぎであったり、猿であったりします。が、だまされるのはいつもワニです。
この類話は世界じゅうに広がっているわけではなくて、アジア、アフリカに限られているようです。

後半、ワニが丸太のふりをしたり枯れ木のふりをしたりするモティーフも面白いですね。昔話ではよく死んだふりをするのですが、このワニはとってもユーモラスです。

音声🎵は4年生に語っています。

テキストは『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

4年生のライブが聞けます。




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