「不思議な話」カテゴリーアーカイブ

とうもろこしおばさん

アメリカ・インディアンの昔話

北米インディアンには、トウモロコシの起源に関する話がたくさんあります。部族によってさまざまなヴァリエーションがあるようです。再話したのは、クリーク族に伝わる話。独特の雰囲気を追ったこの話は、昔話というより、神話というところでしょうか。

もともと、トウモロコシは、原産地が北アメリカです。人びとにとって重要な穀類でした。だから、おばあさん(女神)の愛が現れた物と考えたのかもしれません。

日本では、『古事記』に、穀物の起源神話があります。逃げてきたスサノオにオオゲツヒメが、鼻や口から食べ物を出してきて食事を与えますます。怒ったスサノオはオオゲツヒメを殺します。すると、オオゲツヒメの頭からカイコが生まれ、目から稲、耳から粟、というふうに、体の部分部分から様々な穀類が生まれるのです。


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ウトレストの妖精の島

ノルウェーの昔話

レストは、ノルウェーのロフォーテン諸島の一番南のはずれにある孤島で、町の名前でもあります。ロストとも呼びます。ウトレストはレストの向こうという意味。つまり海のかなたの異郷、仙境をいいます。ノルウェーは海洋民族の国なので、海のかなたや海の底にユートピアがあると想像したのでしょう。日本も同じです。竜宮ですね。日本ならタイやヒラメの舞い踊りですが、このノルウェーのはなしでは、カニやタラです。
 
妖精は気まぐれです。だから、なぜイサクを助けてくれたのか根拠がはっきりしません。偶然なのでしょうか。昔話的にいえば「主人公だから」ということでしょうが、これは伝説です。貧しい漁師がたまたま妖精に富をさずけられた奇跡を語っています。だから、読後、ふしぎな気持ちになります。
 
大きい人たちに、クリスマスのプレゼントとして再話しました。

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語りを聞けます。

三人の姉妹

イギリスの昔話

ジプシーというのは、ヨーロッパを中心に世界のあちこちで暮らしている少数民族です。かつては、馬車などで移動して旅暮らしをしながら、芸能や芸術を伝えているというイメージが強いですが、いまは定住の傾向にあるそうです。自らはロマ、ロムとか呼んでいるそうです。
この民話集は、イギリスのウェールズ地方のジプシーが伝えた話を集めたもの。妖精の出てくる不思議な伝説もたくさん収録されています。
この話の赤い外套のおばあさんも、魔女的な存在なのですが、話の最後までくると、妖精のように感じます。

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酋長カイレ

コロンビアの昔話

不思議な話です。娘と結婚する若者は、たぶんカイレが仕留めた死者の首が再生した者でしょう。そして、彼が月にいちど帰っていくところは死者の国。その一族の国では、若者は鹿のすがたをしているように思えてなりません。
人と動物、この世とあの世、永遠の魂がその二つの次元をいったり来たりする世界観は、アイヌの昔話を思い起こさせます。

中学生に語りたいと思って再話しました。
子どもに語ってみると→井戸端会議その1  →その2
あまりにも手ごたえがあって驚きました。

テキストは『語りの森昔話集2ねむりねっこ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

語りが聞けます。