わたりがらすがほしとつきとたいようをぬすんだはなし
アラスカの昔話
アラスカのトリンギット族に伝わる話です。
ワタリガラスは、神さまでもあり、トリックスターでした。
太陽や月や星がどうしてできたかという謎に答えを示そうとする神話はたくさんあります。まっくらな夜の世界ではっきりと見えるのに、どうしても触れない、手が届かない存在に想像力がかき立てられたのでしょうか。
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わたりがらすがほしとつきとたいようをぬすんだはなし
アラスカのトリンギット族に伝わる話です。
ワタリガラスは、神さまでもあり、トリックスターでした。
太陽や月や星がどうしてできたかという謎に答えを示そうとする神話はたくさんあります。まっくらな夜の世界ではっきりと見えるのに、どうしても触れない、手が届かない存在に想像力がかき立てられたのでしょうか。
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おばあちゃんのはなし
ATU333「赤頭巾」
とっても有名な「赤ずきん」は、グリム童話に収められていますね。グリム兄弟による再話ですが、さかのぼると、ペローにも「赤ずきん」があります。
グリムの「赤ずきん」では、おおかみに飲みこまれた赤頭巾とおばあさんは、猟師に助けられますが、ペローの「赤ずきん」は、おおかみに食べられたところで終わります。
さて、今回紹介する「おばあちゃんの話」は、そのペローの時代より前から人びとのあいだで語られていた「赤ずきん」のひとつです。
狼男との会話がリズミカルに繰り返されますが、聞き手の子どもたちの緊張はどんどん高まっていきます。
子どもは恐い話が好きですが、これはこわがって楽しむおはなしです。
子どもとの信頼関係をもとに、じょうずに恐がらせてあげてくださいね。
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ドイツの昔話
悪魔というのは、本来、恐ろしい存在なのですが、なぜか人間にやっつけられる愚かな面があります。
そんな話が世界じゅうにあって、国際昔話話型カタログ(ATU)では、「愚かな鬼(巨人、悪魔)の話」として第1000番から200種類ほどあります。
こんな話を生み出す民衆の精神がとても健康で愛すべきだなあと感じます。
「ちょうむすび」は、人間が悪魔に、悪魔のできないことをやらせて、自分の魂を救う話型に属します。
類話には、悪魔に、おならや息をつかまえて結び目をつくらせたり、こぼしたブランデーで結び目を作らせたり、音をつかまえさせたりします。
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うたうふくろ
子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。
ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。
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やまのこびと
早春のアルプスの風景が見えるような冒頭です。
ところが、のどかな美しさの向こうに、恐ろしい所がかくれていたんですね。ふたりの娘が、そこへ行ってテストさせられます。
昔話のパターンにのっとって、先に出かけた娘は失敗。あとででかけた娘は、成功して、姉を助け、大金持ちになります。
こびとに試されるテストは、見てはいけない部屋のテストです。このモティーフはよく使われます。日本の昔話「みるなのくら」⇒こちらもそうですね。
こびとに「とんがり帽子のギアン・ピッチェン」と、名前がついているのは、もとは伝説だったということなのでしょうか。
ATU311「妹による救出」
世界じゅうに類話があるようです。
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心臓が体の中にないので、だれにも殺されることがないという敵役が、昔話には出て来ます。
では、ほんとうにやっつけられないかというと、自分の心臓がどこにあるのかという秘密を、つい話してしまって、身を滅ぼします。たいていは、妻に、話すのです。
この話の主人公は男性ですが、女性が心臓のありかを聞き出すシーンが見せ場です。
形としては、動物の恩返しの部分が前半、敵をやっつける部分が後半ですが、サラマルをやっつけるには、前半の動物の恩返しの部分が不可欠です。
それで、長い話になりますが、次にどうなるのかと展開に目が離せないので、時間を感じさせません。
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どこかで聞いたことがあるお話だと思いませんか?
そう、グリム童話です。
グリム童話の69「ヨリンデとヨリンゲル」にそっくりですね。
ATU405。話型名も「ヨリンデとヨリンゲル」です。
グリム童話では、兄妹の話ではなくて恋人同士の話になっていますし、魔法を解く呪物は夢で見た赤い花です。
「ヨリンデとヨリンゲル」を読んだ時には、ロマンチックで、若者向きの話だなあと思ったのですが、この「ヤネケンとミーケン」は、聞き手の年齢は少し下だと思います。短いし、アフリカの大魔術師とか、わくわくする要素が入っていますしね。
ぜひ語ってみてください。
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たまごーななにんのつまをもつきょじん
ATU302「卵の中に隠された鬼の(悪魔の)心臓」
心臓が体の中にないなんて、とんでもないファンタジーです。類話は世界じゅうにあります。
フランスのこの類話では、心臓が卵の中にあるのではなくて、卵を巨人の胸の上でつぶしたら、巨人が死ぬということになっています。
動物たちが主人公に獲物の分配をたのみ、公平に分配できたら、動物に変身する力をあたえられるというエピソードが興味深いです。
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