うたうふくろ
スペインの昔話
子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。
ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。
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うたうふくろ
子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。
ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。
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やまのこびと
早春のアルプスの風景が見えるような冒頭です。
ところが、のどかな美しさの向こうに、恐ろしい所がかくれていたんですね。ふたりの娘が、そこへ行ってテストさせられます。
昔話のパターンにのっとって、先に出かけた娘は失敗。あとででかけた娘は、成功して、姉を助け、大金持ちになります。
こびとに試されるテストは、見てはいけない部屋のテストです。このモティーフはよく使われます。日本の昔話「みるなのくら」⇒こちらもそうですね。
こびとに「とんがり帽子のギアン・ピッチェン」と、名前がついているのは、もとは伝説だったということなのでしょうか。
ATU311「妹による救出」
世界じゅうに類話があるようです。
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心臓が体の中にないので、だれにも殺されることがないという敵役が、昔話には出て来ます。
では、ほんとうにやっつけられないかというと、自分の心臓がどこにあるのかという秘密を、つい話してしまって、身を滅ぼします。たいていは、妻に、話すのです。
この話の主人公は男性ですが、女性が心臓のありかを聞き出すシーンが見せ場です。
形としては、動物の恩返しの部分が前半、敵をやっつける部分が後半ですが、サラマルをやっつけるには、前半の動物の恩返しの部分が不可欠です。
それで、長い話になりますが、次にどうなるのかと展開に目が離せないので、時間を感じさせません。
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どこかで聞いたことがあるお話だと思いませんか?
そう、グリム童話です。
グリム童話の69「ヨリンデとヨリンゲル」にそっくりですね。
ATU405。話型名も「ヨリンデとヨリンゲル」です。
グリム童話では、兄妹の話ではなくて恋人同士の話になっていますし、魔法を解く呪物は夢で見た赤い花です。
「ヨリンデとヨリンゲル」を読んだ時には、ロマンチックで、若者向きの話だなあと思ったのですが、この「ヤネケンとミーケン」は、聞き手の年齢は少し下だと思います。短いし、アフリカの大魔術師とか、わくわくする要素が入っていますしね。
ぜひ語ってみてください。
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たまごーななにんのつまをもつきょじん
ATU302「卵の中に隠された鬼の(悪魔の)心臓」
心臓が体の中にないなんて、とんでもないファンタジーです。類話は世界じゅうにあります。
フランスのこの類話では、心臓が卵の中にあるのではなくて、卵を巨人の胸の上でつぶしたら、巨人が死ぬということになっています。
動物たちが主人公に獲物の分配をたのみ、公平に分配できたら、動物に変身する力をあたえられるというエピソードが興味深いです。
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ふたりのらばひき
ATU613「ふたりの旅人」
紀元2世紀ごろに成立したとされるインドの説話集『パンチャタントラ』に類話がのっているそうです。古い話ですね。中国の仏教文学やヒンズー教の説話集、中世の『千一夜物語』などなど、本の中にたくさん記録されていますが、口伝えの話も、ヨーロッパからアジア、アフリカまで広く語られているようです。
ここで紹介した話は、神さまを信じる者と悪魔を信じる者とがふたりで旅をします。類話では、正直者と不正直者だったり、欲張りとそうでない者だったりしますが、ふたりの生き方は、極端に対照的です。
目を取られた者が秘密を聞く相手は、悪魔、妖精、動物です。かれらはその秘密を人に聞かれると、腹を立ててその人を殺してしまいます。だから、人間に敵対しているようですが、主人公にとってはそのおかげで救われるのですから、援助者としての役割を担っています。
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あかつき、ゆうべ、よふけ
ATU301「3人のさらわれた姫」
類話は世界じゅうにありますが、とくにヨーロッパでは人気のある昔話です。
美しいおひめさまたちが、地下に棲む蛇や竜などの怪物にさらわれます。
お姫さまたちを救いに3人の兄弟が出かけて行きます。例のごとく、成功するのは末っ子です。
末っ子がお姫さまを助け出して井戸から引き上げてもらうとき、ふたりの兄さんが裏切る話がよくありますが、この「あかつき、夕べ、夜ふけ」では、そうではありません。3人兄弟は、救い出した3人のお姫さまと結婚して幸せになります。
長い話ですが、満足感があります。
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