うたうふくろ
スペインの昔話
子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。
ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。
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うたうふくろ
子どもが、悪者に袋に入れて連れて行かれる話は、ほかでも聞いたことがありますね。語りの森でも紹介しています。⇒紙のおうちのヤンネマン
ただ、袋の中で歌を歌わされる話は、そんなに多くないようです。
ところで、日本でも、ひと昔前には、「子取りに取られる」とか、「サーカスに売られる」とかいって、大人たちが、子どもを誘拐されないように恐がらせたものです。
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かとりんがくるみをぱちりとわったはなし
ATU306「踊ってすり切れた靴」
グリム童話に類話があります(KHM133)が、あの話と同じ話型です。
「踊ってすり切れた靴」では、地下の不思議な世界で踊りまくるのはお姫さまたちですが、「カトリンが~」では王子さまです。
王子さまを妖精の手から救い出すのが主人公の少女カトリンです。「踊ってすり切れた靴」では旅の兵隊がお姫さまたちを救い出します。救い出すのはどちらの話でも、たまたまやって来た旅人ですね。
リュティによると、昔話の主人公は、本質的なものと出会うために旅に出るのですが、この話ではふしぎな世界にとらわれている人を救い出します。そしてそのことで自分自身が幸せになります。
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さかなにかえられたわかもの
ATU327「子どもたちと鬼」
この話型には、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」や、イギリスの昔話「ミアッカどん」などがあります。
子どもが恐ろしい鬼や魔女から逃げるという、幼い子どもがドキドキはらはらする話が多いです。
この「魚に変えられた若者」は、悪者がふたり(魔女とパイ)いてちょっと複雑な構造になっているので、あまり幼い子には難しいですね。
ジャマイカは島々からなる国です。島や海の景色を楽しんで語りたいです。
海にも怖ろしい化け物はいるんですね。
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かしこいおてつだいのむすめ
グリム童話では94「賢い百姓娘」が類話です。
グリムは真面目な雰囲気ですが、このリトアニアの話は、くすっと笑える要素がたっぷりあります。それにグリムのほうは長いですから、高学年にしか語れません。この話は3年生くらいから聞いてくれるでしょう。
なぞなぞを楽しみながら、感心したり、ほろっとしたりしてください。
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うつくしいてれじーな
恋人たちのかわいらしいお話です。
ATU879「バジル娘」
娘がバジルに水をやっているところを、王子さまが見つけるところから、「バジル娘」という話型名になっています。
からかいの言葉のやりとりは、たいてい詩の形になっているそうです。
17世紀の『ペンタメローネ』にあります。
「わたしは指を切る」からの4行は、結末句。とっても印象深いです。
ところで、奈良の民話の「お藤井戸」も同じ話型です。
柳生十兵衛と村の娘お藤のやり取りがあります。こちらは、お藤の知恵があることに感心した十兵衛が、妻にするという話です。
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てにしょくがなければ
ATU949「若い紳士がかご細工を習う」
娘が、身分や富貴を求めることなく、堅実な考えを貫こうとする賢さに拍手したくなりました。そして、そんな彼女を愛する皇帝が、彼女のことばにすなおに従って、おかげで命が助かるという成り行きに、いい話やなあとうれしくなって、思わずここに紹介してしまいました。
多くの民族で、女性の社会的地位は伝統的に低かったと思います。そのなかで、女性が知恵を使って、また品性の良さで、男性をしのぐ話がけっこう伝わっています。現代女性として、そんな話も語り継ぎたいと思います。
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みどりずきん
冒頭、猟師の娘は、父親がとらえてきた馬と結婚します。
ああ、異類婚姻譚だなと気づきますが、この馬が、じつは《翼のある天使》だというところから、いっきに壮大なファンタジーの世界に入っていきます。
魔神の母親やおばが娘に難題を出し、亡き者にしようと追いかけてきます。呪的逃走のモティーフが、はらはらさせてくれます。
主人公の娘がさまざまな試練を乗り越えることで、夫緑ずきんはすくわれ、ふたりは幸せになります。
結末の「この上もなくぜいたくに、この上もなく楽しく暮らしました。」は、現実を生きる語り手聞き手たちにとっての願望であり、夢でもあるのでしょう。
この結末句、気にいっています。
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さかなとゆびわ
イギリスはイングランドの昔話。
この話は、「運命の説話」に分類されるもので、話型名は「予言」(ATU930)。
グリム童話KHM29「三本の金髪を持った悪魔」では、冒頭で、貧しい男の子が王の娘と結婚すると予言されますが、この「指輪とさかな」は、男女が逆になっていて、男爵の息子が貧しい娘と結婚すると予言されます。
どちらも、川に流されて助けられ、親切な夫婦にたいせつに育てられます。
どちらにもウリアの手紙のモティーフ⇒こちらがあって興味深いです。
日本にも、運定めの話はたくさん伝わっています。⇒こちら。これもふしぎです。
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いどのそこのおくりもの
ATU480「親切な少女と不親切な少女」
グリム童話「ホレばあさん」やスロバキアの「十二の月の贈り物」の類話です。
井戸の底にいる女も娘たちも、彼岸者です。
主人公には贈り物をくれますが、不親切なもうひとりの娘はひどい目にあいます。
原話の解説によると、かつて娘たちは秋の収穫が終わると、娘宿という場に集まって夜なべ仕事をしながら、さまざまな話を語りあったそうです。
その娘宿の風習が、この話の背後に見えるようです。
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