スイスの昔話
スイスアルプスといえば、わたしたちは、ハイジを思い起こすし、すばらしい自然の絶景が目に浮かびます。それで、憧れでもあるんですが、もともとは、とても厳しい自然が立ちはだかる場所でもあります。
そんな場所では、人びとは、自然の中の説明できないものにおそれをいだき、化け物のせいだと考えがちです。
このはなしの「ふくろう」も、そんな存在です。
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スイスアルプスといえば、わたしたちは、ハイジを思い起こすし、すばらしい自然の絶景が目に浮かびます。それで、憧れでもあるんですが、もともとは、とても厳しい自然が立ちはだかる場所でもあります。
そんな場所では、人びとは、自然の中の説明できないものにおそれをいだき、化け物のせいだと考えがちです。
このはなしの「ふくろう」も、そんな存在です。
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つきのひかり
ATU365「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」という話型です。
レオノーレといって、古代の死者信仰に基づく伝説だそうです。フランスの類話「白いハンカチ」も見てください。⇒こちら
怖いですね。そして悲しい。
戦争が若者の想いを犠牲にしていく姿が、死者の行列から読み取れます。
主人公が死を選ばないでどこまでも生きて、新たな道を歩こうとする、そして幸せになるところに、希望を感じます。そこが「白いハンカチ」や『おはなしのろうそく19』の「金の髪」とは一味違う所です。
ぜひ語ってください。
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おはなしをしていのちがたすかるはなし
深い森のある国には、森の中に森女っていうのがいるんですね。妖精や山男やババ・ヤガーの仲間なんでしょうか。
森女は、どうしてお話がきらいなのでしょうね。
でも、パンの作り方や食べ方が、お話になるんですね。パンの一生っていうお話でしょうか。
そういえば、ずうっと昔、ストーリーテリングの本の中で、子どもたちに何時間でも電話帳を読んで楽しませるおじさんの語り手がいたって読んだことがある。そのときは理解できなかったけれど、今は少し分かるような気がします。
聞き手がいて語り手がいたら、何でもお話になるんです。
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この話は、ある地方の伝説です。
同じような伝説や昔話が世界じゅうにあるようです。
崖や川べりなど、人里に近い自然の中から、気味の悪い声が聞こえて来て、だれも近づかなくなる。
あるとき、勇気のある者が出かけて、その声に応えると、声の主が現れる。
その正体は金貨や宝物だった、という話。
だれにも使われなかった隠されたお金は、化けるのです。
経済活動の必要を説いているのでしょうか。
また、自然界に宝を見つけよということでしょうか。
ATU326「怖さとは何か知りたがった若者」の類話です。
『日本昔話通観』では、IT106「危ない危ない」に分類されています。
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虎のまつ毛をかざして見ると、人間の本性が分かる。
日本の昔話「狼の眉毛」とそっくりの話です。「狼の眉毛」は国内のあちこちで記録があるのですが、外国の話ではこの1話しか見つけられませんでした。それがふしぎで珍しいので紹介したいと思い、再話しました。
日本の場合、狼が呪宝をくれる呪宝譚のひとつです。
狼は、日本の伝承では神さま、もしくは神さまに近い存在です。こちら⇒《昔話雑学》。自然神ですね。
では、虎は?
朝鮮半島や中国では、虎はやはり神さまに近い存在です。
日本の話が朝鮮半島に渡って換骨奪胎されたのでしょうか。
日本の「狼の眉毛」では、狼の眉毛を手に入れた主人公は、眉毛を使って幸せになります。でも、朝鮮半島の「とらのまつ毛」では、まつ毛はたいして役に立っていませんね(笑)
そのうち、「狼の眉毛」も語れるように再話したいと思っています。
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レノア伝説(レオノーレ)といわれる話のひとつです。
レノア伝説とは、死んだ男が恋人に会いにやって来て、馬に乗せ、夜道を墓地またはあの世へいざなうというストーリー。
古代の死者信仰に基づく伝説で、もともとヨーロッパで広く語られていたそうです。また、バラードや民謡としても伝わっているとのことです。
伝説が昔話化していて、ATU365、話型名は「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」。
馬に乗って走っているとき、花婿が「怖いか」と2度尋ね、3度目に墓地につくというのが典型的な形のようです。「白いハンカチ」では尋ねるのは一回ですね。
結末は、花嫁は服をひき裂かれて逃げきる、墓に引きずりこまれる、死ぬまで踊らされる、ずたずたに引き裂かれる、など。恐いですね。伝説から生まれたことが実感できますね。
伝説の特徴については、《昔話雑学》「伝説」(こちら⇒)と、《ブログ井戸端会議》「生きている人形」(こちら⇒)で確認してください。
さて、「白いハンカチ」はフランスのブルターニュ地方東部に伝えられている話です。出典の解説では、ブルターニュ地方は伝説と昔話の宝庫だということです。歴史が古く、かつては巨石文化を持つ人々が暮らしていて、紀元前6世紀にはガリア人、前1世紀にはローマ人、5世紀にはケルト人が移り住みました。だから、文化が重層的なのですね。しかも海に囲まれているので、船乗りの運んでくる話もあったのです。
「恐い話して!」とせがまれたときにどうぞ。
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アラビア半島イエメンに伝わる昔話です。主人公が「アラーの神さま」といっていることからわかるように、イスラム教が信仰されています。
ジャルジューフというのは、本文にあるように、荒野の精霊です。
精霊は、イスラム教が伝わる以前から信仰されてきた自然宗教の超自然的な存在のこと。本来は悪ではありません。ここでは対イスラムだから妖怪としてあつかわれているのです。日本で山の神が山姥に、川の上がかっぱになったのと似ています。
ジャルジューフが、人食いでありつつ、主人公や息子を愛する姿を見ると、あわれをさそいます。文明の対立もしくは宗教の対立が表れているのでしょうか。
ジャルジューフが死ぬところで、「もう一太刀切ってくれ」「踏んづけてくれ」「つばをはきかけてくれ」といいますが、アリはその手に乗りません。少しでも相手の言うとおりにしたら、すべて言いなりになって立場が逆転してしまうのです。主体的に生きなければなりません。
ATU311「妹による救出」。グリム童話の「フィッチャーの鳥」と同じ話型です。
恐いおはなし。
マルヤムは、アラビア語でマリアさまの意。
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日本の昔話では、貧しいおじいさんに親切にしてあげると、大判小判に変わったりするのですが、この話はそうではありません。だからこそ、ぞっとする話。
夏の怪談話、恐いおはなし大会などにどうぞ。
自分のうしろって気になりますよね(笑)
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