「笑い話」カテゴリーアーカイブ

ちぢまれ、ちぢまれ

中国の昔話

笑い話です。
笑い話ですが、欲張ってはだめだよという教訓を伝えようとしています。

欲のない主人公が富を得て、欲張った者が失敗をする話は、日本では、隣の欲ばりじいさんの話が多いです。それと、欲ばりばあさん。「はなさかじいさん」や「したきりすずめ」がゆうめいですね。
でも、なぜか中国や韓国では、兄弟の話になっていることが多いです。

日本の話でも、「金噴き明神」⇒こちらは兄弟の話です。しかも、石人ではありませんが、石の狛犬の口から大判小判が出て来ます。
この中国の「ちぢまれ、ちぢまれ」とよく似ていますよね。大陸から日本に渡った話なんでしょうか???

ところで、このお兄さん、この後どうなるんでしょうねえ。


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東風夜雨

とうふうやう

中国の昔話

中国版の貧乏神と福の神の話です。
この神さまたちは、おかみさんから逃げましたが、金神さまは逃げそこなってしまいます。
パワフルなおかみさん、女はこうでなくっちゃ。
ご亭主は影が薄いですが、正直で誠実なのは、おかみさんと同じです。
ラスト、ほっとして思わず微笑んでしまいます。

原話では、福の神は「増福神」、貧乏神は「掠福神」、金神は「財神」となっています。財神は福をあたえる神で、増福神との区別がつきにくいですが、この話が語られた中国の江蘇省灌雲の石仏寺には財神殿という建物があります。
民間信仰の神さまなのでしょう。神さまがお寺に祀られているのも興味深いです。


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山んば

やまんば

アイスランドの昔話

アイスランドにも山姥(やまんば)はいるんですね。魔女ではないということは、キリスト教以前の古い信仰の中でうまれた山にすむ妖怪でしょうか。
まぬけなおかみさんをだます山姥ですが、そんなに悪者だとは感じられません。いたずら者って感じでしょうか。
夫が知恵を使って山姥をやっつけますが、さいごは、山姥の財宝を手に入れて幸せになります。めでたしめでたしです。

中学年くらいから聞けると思います。
サブの話かな?


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りこうな末っ子

りこうなすえっこ

スイスの昔話

ATU921「農夫の息子と王」に分類される昔話です。ヨーロッパを中心に広く語られているようです。

息子の知恵のある答えは、さまざまなヴァリエーションがあります。地域の風土によって変わるのだと思います。
なぞなぞや謎解きは、古今東西、老若男女、好きですよね。

王さまの権威に対して、子どもが知恵を使って親を助ける。王さまがそれを喜んで受け入れているのが気持ちいいです。


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美しいテレジーナ

うつくしいてれじーな

イタリアの昔話

恋人たちのかわいらしいお話です。

ATU879「バジル娘」
娘がバジルに水をやっているところを、王子さまが見つけるところから、「バジル娘」という話型名になっています。

からかいの言葉のやりとりは、たいてい詩の形になっているそうです。
17世紀の『ペンタメローネ』にあります。

「わたしは指を切る」からの4行は、結末句。とっても印象深いです。

ところで、奈良の民話の「お藤井戸」も同じ話型です。
柳生十兵衛と村の娘お藤のやり取りがあります。こちらは、お藤の知恵があることに感心した十兵衛が、妻にするという話です。


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天から落ちてきた男

てんからおちてきたおとこ

オランダの昔話

ATU1540「パラダイスから来た学生」

息子を亡くした母親の心をうまく利用して、悪い男ですね。
古くは15世紀の終わりに記録があるそうです。
しかも、現在も、世界じゅうに伝承が残っている由。
笑い話ですから、「うまくだましたな!」と笑うのか、「だまされて、ばかだな」と笑うのか、どちらかなんでしょう。
若者のしたことは詐欺なんだけど、ある意味では賢いやり方で、生きるためのささやかな贈り物をもらったといえるし、母親は、天国の息子の友達に会えて役に立てて幸せなんだから、それでいいとも言えますね。
あまり目くじらを立てることでもなさそうです。
お話なんですから(笑)


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なまけもののおかみさん

リトアニアの昔話

ATU1405「怠惰な紡ぎ女」+902「怠惰な女が治療される」

おかみさんもおかみさんなら、旦那さんも旦那さんですね。
でも、ふたりとも、何の邪心も持っていません。おかみさんが極端な怠け者だということをのぞけば、人情の温かい夫婦です。
そのおかみさんも、最後は心を入れ替えて働き者になって、みんなから尊敬されて、めでたしめでたしです。。


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きつねとおおかみ

オランダの昔話

おおかみが、ずるがしこいきつねにしてやられるおはなし。
きつねは親せきの子どもの誕生祝いに出かけるのですが、類話では名付け親になるという場合が多いようです。同じような話が世界じゅうにあります。

きつねが悪いのか、ばかなおおかみが悪いのか、世の中ってそんなもんだよねと、笑って教えてくれるお話です。

低学年から楽しめると思います。


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おしゃべりメッテ

デンマークの昔話

秘密がどんどん広がっていくのは、心配しながらもおかしくて笑えますね。
最後のどんでん返しは、ちょっとびっくりしますが。

この話は、13世紀にすでに類話が記録されているそうです。

ATU886「秘密を守れなかった少女」 
いまのところ、ヨーロッパにしか類話が見つかっていないようです。


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王さまだってぜんぶは信じられない

おうさまだってぜんぶはしんじられない

オーストリアの昔話

ATU852「嘘つき比べ」
王さまやお姫さまに「それはうそだ」といわせたら、ほうびとしてお姫さまと結婚できるという話です。
同じような話は世界じゅうにあります。

大真面目に語るほら話がおもしろいですし、王さまがいちいち肯定する表情を想像するのも楽しいですね。


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