やまんば
アイスランドの昔話
アイスランドにも山姥(やまんば)はいるんですね。魔女ではないということは、キリスト教以前の古い信仰の中でうまれた山にすむ妖怪でしょうか。
まぬけなおかみさんをだます山姥ですが、そんなに悪者だとは感じられません。いたずら者って感じでしょうか。
夫が知恵を使って山姥をやっつけますが、さいごは、山姥の財宝を手に入れて幸せになります。めでたしめでたしです。
中学年くらいから聞けると思います。
サブの話かな?
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うつくしいてれじーな
恋人たちのかわいらしいお話です。
ATU879「バジル娘」
娘がバジルに水をやっているところを、王子さまが見つけるところから、「バジル娘」という話型名になっています。
からかいの言葉のやりとりは、たいてい詩の形になっているそうです。
17世紀の『ペンタメローネ』にあります。
「わたしは指を切る」からの4行は、結末句。とっても印象深いです。
ところで、奈良の民話の「お藤井戸」も同じ話型です。
柳生十兵衛と村の娘お藤のやり取りがあります。こちらは、お藤の知恵があることに感心した十兵衛が、妻にするという話です。
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てんからおちてきたおとこ
オランダの昔話
ATU1540「パラダイスから来た学生」
息子を亡くした母親の心をうまく利用して、悪い男ですね。
古くは15世紀の終わりに記録があるそうです。
しかも、現在も、世界じゅうに伝承が残っている由。
笑い話ですから、「うまくだましたな!」と笑うのか、「だまされて、ばかだな」と笑うのか、どちらかなんでしょう。
若者のしたことは詐欺なんだけど、ある意味では賢いやり方で、生きるためのささやかな贈り物をもらったといえるし、母親は、天国の息子の友達に会えて役に立てて幸せなんだから、それでいいとも言えますね。
あまり目くじらを立てることでもなさそうです。
お話なんですから(笑)
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ATU1405「怠惰な紡ぎ女」+902「怠惰な女が治療される」
おかみさんもおかみさんなら、旦那さんも旦那さんですね。
でも、ふたりとも、何の邪心も持っていません。おかみさんが極端な怠け者だということをのぞけば、人情の温かい夫婦です。
そのおかみさんも、最後は心を入れ替えて働き者になって、みんなから尊敬されて、めでたしめでたしです。。
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秘密がどんどん広がっていくのは、心配しながらもおかしくて笑えますね。
最後のどんでん返しは、ちょっとびっくりしますが。
この話は、13世紀にすでに類話が記録されているそうです。
ATU886「秘密を守れなかった少女」
いまのところ、ヨーロッパにしか類話が見つかっていないようです。
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おうさまだってぜんぶはしんじられない
ATU852「嘘つき比べ」
王さまやお姫さまに「それはうそだ」といわせたら、ほうびとしてお姫さまと結婚できるという話です。
同じような話は世界じゅうにあります。
大真面目に語るほら話がおもしろいですし、王さまがいちいち肯定する表情を想像するのも楽しいですね。
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ななにんのおーべるにゅじん
フランスの中央にオーベルニュ地方という山岳地帯があります。イギリスのゴタムなどと同じく愚か村と呼ばれています。この地方の人たちは何かにつけ笑いの種にされていたそうです。
この「七人のオーベルニュ人」は、ATU1250「人間の鎖」という話型に分類されます。
西暦1世紀にインドと中国で語られていた記録があるそうです。ヨーロッパでは14世紀の記録があるそうです。古今東西、笑いのツボは同じということですね。
ゴタム村の話は⇒こちら。日本の愚か村話については昔話雑学に載せています。⇒こちら
フランスのもうひとつの愚か村話は⇒こちら
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ATU821B「ゆで卵から生まれたはずの鶏たち」
類話は、中近東をはじめヨーロッパにも広がっています。
まるで、一休さんや彦一のとんち話にそっくりです。
このようなとんちをテーマにした話は世界じゅうにたくさんあります。
短い話ですが、面白さが分かって「 あ、なるほど」と感心するのは、高学年以上でしょう。
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