マケドニアの昔話
相手を見くびってはいけない。謙虚でいたいものです。
ATU75「弱者の助け」という話型で、世界中に広がっているようです。イソップ寓話にもあって、そちらのほうが有名ですね。
動物の話は幼い子にもよく理解できます。
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相手を見くびってはいけない。謙虚でいたいものです。
ATU75「弱者の助け」という話型で、世界中に広がっているようです。イソップ寓話にもあって、そちらのほうが有名ですね。
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ATU1「魚泥棒」+ATU2「しっぽの釣り」
この二つの話型が結びついている話は、よくあるそうです。
「魚泥棒」も「しっぽの釣り」も世界じゅうに広く語られている話です。ただ、「しっぽの釣り」はさすがに暑い国にはなさそうです。
日本の話としては、大阪の伝承を紹介しているので比較してみてください。⇒こちら
動物昔話は、人の世の比喩でもあるのですが、幼い子が喜ぶ話でもあります。
スウェーデンのこの話では、きつねが悪賢く、くまがまぬけという設定です。この動物の性格は、民族によって異なるようです。くまではなくおおかみやジャッカルが登場するものもあります。
どうぞ、冬に語ってください。
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むすめとみるく
イソップは古代ギリシャの人です。だから、とても古い話なのですが、今でも新鮮な響きがあります。
日本のことわざでは、「捕らぬ狸の皮算用」というところでしょうか。
ストーリーは小さい子どもでも分かりますが、娘の行為の愚かさかげんが分かるのは、四年生以上だと思います。おまけの話にどうぞ。
イソップについては、昔話雑学をご覧ください。こちら⇒
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おうさまのびょうき
大笑いしながら心が温まる話ですね。
この魔法、偶然といってしまえばそれまでですが、主人公のまっすぐな思いが生んだ奇跡だと感じます。
地中海のマルタ島は、日本の屋久島の半分くらいの面積の島です。そんな小さな島に伝わる小さなほほえましい昔話です。
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どうぶつたちのふゆごもり
協力して作業をしようというときに、怠け心のせいで断り、その成果だけを手に入れようというわがまま者の話はよくあります。それがこの話の前半です。
そして後半では、そんなわがまま者たちが、危機に瀕しては一転して協力して、悪者を追いはらいます。
幼い子が喜ぶ話です。
「冬を避けて夏を探しに行くんです」のくりかえしがリズミカルで印象的です。
ATU130「動物たちの夜の宿(ブレーメンの町音楽師)」と130A「動物たちが家を建てる」が合体しています。
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ながいはるのために
ATU1541「長い冬のために」という話型で、愚か者の話です。
キーワードの「長い春」は、「長い冬」だったり「非常時」「良い日」だったりします。
お人よしのおかみさんや困っているお百姓を上手くだまして、男はひどいやつですが、これがトリックスターの一面なのです。
日常生活でだれにでもある思い違いや失敗を笑い飛ばすのが愚か者の話。
語りあって笑い飛ばすことで、自分も他人も許すことができるし、共感が寛容を生みます。そのためのトリックスターであり、そのためにストーリーが極端になっているのです。
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おろかむらのひとたち
世界じゅうにある愚か村話のひとつです。
愚か村話については《昔話雑学》をみてください。こちら⇒
この話の前半は、ATU1450「賢いエルゼ」という話型で、グリム童話にもあります。
後半は、ATU1384「夫が妻と同じくらいの愚か者を3人探す」という長い名前の話型(笑)。
夫が妻の愚かさに激怒して、家を出て行きます。「おまえみたいに愚かな者が3人いたら、もどって来るが、もし見つからなかったら、帰って来ない」と宣言して。そして、すぐに3人見つけるという話。
まあ、世の中ってそんな物なのかもしれませんね。
この後半は、枠物語になっています。こちら⇒。
ここで3つの愚か話が語られます。そして、3つとも、どこにでもあるモティーフです。
ふと思ったのですが、落語がそうであるように、同じ話でも人は飽きずに笑うのですね。聞くたびに思い当たることがあって新鮮なんでしょうね。
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りこうなうさぎとゆうかんなやぎ
うさぎとやぎのチームプレーがうまいですね。
りこうなうさぎに対して、やぎは、おくびょうな部分もあるし、りこうな部分もあるし、のんきな部分も持っています。うさぎがトリックスターだとすると、やぎは、凡人、ふつうの私たちのような性格ですね。でも、友情のおかげで、「勇敢なやぎ」に成長します。
ブラジルの昔話には、先住民族が伝えた話と、ヨーロッパから侵略してきた白人たちの持ってきた話と、奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人たちが持ってきた話があります。
「りこうなうさぎと勇敢なやぎ」は、どれだと思いますか?
ブラジルにはいないライオンが登場していますね。そう、黒人が伝えた話です。
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三人兄弟の末っ子が主人公。この話の末っ子は、愚かなだけでなくて、怠け者です。
ATU675「怠け者の少年」
怠け者で愚かな少年が、魚、かえる、へびなどを逃がしてやって、そのお礼に、願いが何でもかなう力を授けてもらう話。
「かますのいいつけ わたしの望み」という唱え言葉が印象的です。
ヨーロッパの昔話の定番通り、命の危険に遭遇しますが、お姫さまと結婚してめでたしめでたしで終わります。
主人公の性格と周りの(力のある)大人たちの反応が、ユーモラスです。
子どもは、どうにもならないほど怠ける時期がありますが、いつかは「絵にも描けないような美しい」人格を手に入れるものです。
昔話は、子どもを励ますだけでなく、大人に子育ての極意を教えてもくれます。
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おおかみといぬ
ATU101「老犬が子ども(羊)の救出者になる」とATU100「オオカミが歌って捕まる」が組み合わさっています。
ATU101では、おおかみが、犬を助けた見返りにお百姓の羊を盗む手助けをしてくれといいますが、犬は断り、おおかみの友情を失って終わります。
けれども、ウクライナのこの話では、犬は、羊の代わりに宴会のごちそうをおおかみに提供して、ATU100につながります。おかげで二匹の友情は続きますが、結局、まぬけなおおかみが自滅します。犬が歌うなと止めるのに、おおかみは歌ってさんざんなぐられるのです。うまく二つの話型をつなげていますね。
この話は、イソップ寓話にもあります。
福音館書店から絵本が出ています。
『セルコ』内田莉莎子文/ワレンチン・ゴルディチューク絵
ラストがちょっと違うんですけどね。
グリム童話のKHM「老犬ズルタン」は、家畜と野獣の違いがはっきりしています。ズルタンの番犬としての立ち位置が、対人間のきびしさを感じさせます。
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